『おじいちゃんの木』──年月を越えて、存在し続ける木

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あらすじ

こざるのモンちゃんは、自転車をこぎながら、歌を歌っていた。
その内容は、おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんに会いに行くという歌だった。
それを聞いたほかの動物たちは、そんなおじいちゃんなんかいない、そんなに長生きするもんかとからかったり笑ったりした。

モンちゃんが会おうとしていたのは……?

 

ずっとずっとずっと昔の……

こざるのモンちゃんは自転車をこぎながら、こんな歌を歌う。

おじいちゃんの
おじいちゃんの
おじいちゃんに
あいに いくんだよ

それを聞いたほかの動物たちは、そんなおじいちゃんなんていない、そこまで長生きしないと笑ったり、からかったりする。
それでも気にしないモンちゃん。
いったい、本当にそんな長生きなおじいちゃんがいるのか?と疑問がわいてくる。

この疑問は、本の終盤になると解決する。
おじいちゃんはおじいちゃんでも、それは木のことだったのだ。
おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんが植えた木。
モンちゃんは、その木を慕って、会いに来たのであった。

青々としげった木の根本に腰を下ろし、モンちゃんは一休み。
するとおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんが植えた木は、こう言う。

「げんきで なによりだね」

ほっと暖かくなる一言だ。
木は、何年も何年も生きている。その中には、いろいろな思い出や記憶が蓄積されているのだろう。もしかしたら、託された思いもあったかも……。

 

モンちゃんは、こっそりと木を植える。

 

ぼくの こどもの こどもの こどもがね

 

そう歌いながら、モンちゃんは何年も何年も先のことに思いを馳せるのだった。
モンちゃんは、こっそりと植えた木に、どんな思いを託したのだろう。

 

シンプルな本文

文章が短めの上に、絵もシンプルでまとめた絵本。
シンプルゆえに、メッセージ性が強くでている。

幼児向け。
だが、この絵本のメッセージを感じ取れるのはおとなになってからかもしれない。

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