『ごろはちだいみょうじん』──村人を助けるために神様になったたぬき

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あらすじ

あるところに、ごろはちというたぬきがいた。
このたぬき、いたずら好きで村人たちを困らせることが多かったので、困らせないでくださいませ、という意味で、「ごろはちだいみょうじん」と呼ばれていた。

いたずら好きのたぬきと、村人たちは、なんだかんだとうまくやっていた。

しかし、あるとき、村に鉄道が走ることになり……。

 

村人たちを助けるため、狸は神様になる。

 

神様の名前のたぬきの話

ごろはちだいみょうじん、という名前の狸の話。
彼はいたずら好きで、よく人を困らせていた。そのために、

「あんまり わるさ せんでおくなはれや。
あんじょう たのんまっさ」

……という意味で、「だいみょうじん」の名をいただくに至ったのであった。
このごろはちだいみょうじん、いたずらするにしてもそこまで意地の悪いものはないらしく、それなりに村人たちに受け入れられいてるようである。いたずらする困ったたぬきだ、というぐらいなのだろう。

そんないい感じの関係が続く日常は、村に鉄道が走るという出来事で終わりを迎える。
村に鉄道が走るということで浮き足だつ村人。汽車を見ようとみんなが詰めかける。ごろはちだいみょうじんも、興味津々だ。

しかし……

いざ、汽車をみた村人たちは、初めて汽車を見るものだから、あんまり考えもつかない汽車の姿に、これはごろはちのいたずらだと勘違いしてしまう。そして笑いながら、線路の上まで来てしまうのだ。

これをみたごろはちだいみょうじん、これはまずいと声を上げるのだが何せ村人総出の状態で声が通るはずもない。ごろはちだいみょうじんは、村人たちの先頭に立って線路に飛び出した。

そしてごろはちだいみょうじんは汽車にひかれ、そこではじめて村人たちは、ごろはちだいみょうじんのいたずらでなかったと悟るに至るのだ。

これを、日頃の行いのせいだと言うにはあまりにも切ない。
ごろはちだいみょうじんは、村人たちを助けるため、単身、汽車の前に飛び出したのである。
村人たちとごろはちだいみょうじんは、なれ合うことはなかったものの、それなりにいい関係を築けていた。ただ、少し、巡り合わせが悪かったとしかいいようがない。ごろはちだいみょうじんはいたずら好きで、村人たちは汽車を見たことがなかった。それが悲劇を生んだのだ。

でも、物語は悲壮では終わらない。
村人たちは、ごろはちだいみょうじんに感謝し、社をたてておまつりした。そして忘れずに、あぶらげもお供えしているのだそうな。
物語は、お経をあげてもらうごろはちだいみょうじんはこう言っているだろうと締めくくる。

「あほらし。ほとけさんと ちがうがな。
こっちは れっきとした かみさんや、
だいみょうじん さまさまや ないか」
 めでたし、めでたし。
というたかて なにが めでたいのやろ。

湿っぽい終わり方をせずに、ちょっと空とぼけた感じのする終わり方だ。この感じが、村人たちとごろはちだいみょうじんの関係を示しているように思える。
決してごろはちだいみょうじんの死を軽んじずに、それでも明るく受け入れる……ここに、村人たちとごろはちだいみょうじんの信頼が見て取れるような気がする。

方言がだいぶん強め

方言がだいぶ強めの昔話風の絵本。
ひらがなで書かれているので、聞きなれない単語が出てくるとだいぶ詰まる。読み聞かせのときは注意が必要だろう。
低学年向け。

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