あらすじ
あるお城に、しりとり通りになっていないと気が済まない王様がいました。
物を並べるときも、しりとり通りにするのです。
この王様、食事の時間もしりとり通り。
しかも、最後には「プリン」で終わらなければならないので、家来たちは大変です。
しかも王様は、自分の思った通りでなければ怒るのです。
そこで家来たちは……。
しりとり通りにならないと気が済まない王様
あるお城には、しりとりが大好きな王様がすんでいた。
なんでも、しりとり通りに並んでいないと気が済まないのだという。
めんどくさい王様である。
一等めんどくさいことになるのは、食事の時間。
なぜなら、料理もしりとり通りに出さないと気が済まないから。
しかも、最後はプリンじゃなくてはいけないという縛りつき。
なんというめんどくさい王様だろう。
そんなわけで、料理人たちは食事の時間を戦々恐々として迎えていた。
思い通りにならないと王様は怒るのである。しりとり通りだから、最後が「ん」が終わると食事が続かない。食事を終えるときは「プリン」でなくてはならないのである。
本当にめんどくさい王様である……。
もうむしろ、料理の順番を決めてしまって、毎日それにするというふうにしたらどうだろうか。
家来たちは、これにはほとほと困り果て、ある作戦をたてる。
朝ご飯の一番目は、「トマト」。その次は「トースト」。そしてその次はまた「トマト」。その次は「トースト」。
そう、家来たちは、「トマト」「トースト」「トマト」「トースト」……を繰り返す作戦にでたのである!
わーお、強硬手段!
このトマトとトースト責めにあった王様、しりとりはごめんだ、と反省する。それで、王様は、もうみんなを困らせることがなくなったのだとか。
そもそも、しりとりには同じ単語を使っていいのかという疑問が残るが……。
ちょっぴりほほえましい王様と家来の話であった。
文章の量も少なく
文章の量も少なく、シンプルな展開で話も分かりやすい。
読み聞かせにも向いているだろう。
幼児、低学年向け。