あらすじ
子どもをしつけるための小話集。
それぞれ主人公が違い、話の長さもまちまち。どの話から読んでも支障はない。
ほとんどの話が、いけないことをしてその結果、大変なことに遭うという教訓もの。
物語というより、教訓に少しストーリーをつけた感じの印象。
悪い子はひどい目に遭うというお決まりの結末なのだが、その「ひどい目」がかなり過激な部類に入る「ひどい目」である。
やりすぎ感がすごい……しつけ絵本……
ついに来ました、一部ではトラウマ絵本として君臨しているこの絵本。
元は作者が子どものためにとしつけや教訓を盛り込んで書いたというこの古い作品。
古い作品ゆえに、しばらく絶版となっておりましたが、見事復刊を遂げ、手に取ることが出来るようになりました。
早速読んだ感想としては……
すごく、教訓的……でした……。
とても教訓的な話……というか、悪い子はこうなっちゃうよ、といった感じの小話がいくつも収録されており、一つの長い話があるわけではありません。短編というよりはさらに短い感じの小話といったところです。
表題の「もじゃもじゃペーター」、両手の爪を切らないで伸ばしっぱなし、髪の毛もくしを通さない男の子のことのようです。彼が主人公の話はなく、タイトルに使われているわりには活躍はしません。
古い作品なので、現代からすると差別的と見られる小話も収録されています。
黒人の男の子をからかう子どもたちが、注意するニコラスさまの言うことを聞かず、おしおきに真っ黒にされてしまうという話などがそうでしょう。
全体的に、教訓色が強いので、救いのない終わり方をします。
トラウマ絵本と言われるのは、この救いのない終わり方……というか、グロい終わり方……というか……そういうところでしょう。
勝手に触ってはいけないと言われていたのに、マッチで火遊びをしてしまった女の子。
火が服に燃え移り……
彼女は燃え尽き、灰になって、片方の靴だけが残っていました。
マッチ売りの少女も真っ青な終わり方だぜ!
親指しゃぶりの男の子、指しゃぶりをやめないと怖い仕立て屋さんがやってきて指をちょん切られるよ、とママに言われたのにやめなかった。
すると……
彼の親指を仕立て屋さんながはさみでちょん切りました。
挿絵には、両手の親指を切り落とされた男の子の姿が……!
これね、あれだよ、
ホラーだよ!!
かなしいかおした コンラート(男の子の名前)
おやゆびなしで たっていた
おやゆびは ふたつとも いっちゃった
悲しい顔ってレベルじゃないよね!!??
痛くて泣き叫ぶか、気を失うレベルじゃないの、これ!?
スープが嫌いな男の子、ずっとスープを嫌がっていたら、
五日目、彼は死んでいた。(餓死)
棒のように細くなった男の子が、湯気を立てるスープの載ったテーブルに突っ伏して餓死している挿絵が……。
これね、あれだよ、
ホラーだよ!!
やってやったぜ、というより、やりすぎ感が強い『もじゃもじゃペーター』。
教育、しつけの助けになるかというと、ちょっと、これは……現代ではどうかな……。
あんまりな終わり方に、コメディ感すら感じてしまったのは、私がホラー好きなためでしょうか……。
良くも悪くも、ここまで過激な内容の絵本はあまり見ないでしょう。
『だから?』も強烈でしたが、インパクトはこちらが上かも。
二つとも、子どものしつけや教育のために書かれたという点では同じですが……。
これぐらいまでしないと、(子どもの悪癖は)治らない!という感じでしょうか……。
幸いにもリアル調の絵柄ではないので、指がちょん切られたり餓死してる様はそこまで衝撃ではありませんが、内容は過激。
これを子どもの頃読んで、トラウマ絵本となったかたもいらっしゃったのでは。
これを子どもの頃に読んだら、だいぶ衝撃だと思います……。
しつけ、教育のために書かれた本なので
物語を楽しむというより、しつけや教育のために書かれた側面が強いです。
書かれた時期が昔の上、外国の観点から書いているので、教訓も古く、日本ではピンと来ない小話もあります。
しかしながら、指しゃぶりやマッチ遊びは、現代でもしばしば見られることなので、共通する部分もあるにはあるのは確か。
特に火遊びなんかは、危ない行為ですし……。
ですが、レビューしたように、かなり過激な内容なので、子どもに読ませるかどうかは一度読んでからがおすすめ。
読み聞かせは……やはり、一読した上でご一考ください。