『あけるな』──あけるなって言っているのに

「これが あけずに いられるかい」 開けるなと言われれば、開けたくなるのが人のサガというもの。 あなたもきっと開けずにいられない。   開けるなと書かれた板が打ち付けられた扉を前に やるなといわれればやりたくなる。見るなといわれれば、見たくなる。 開けるなといわれれば……? 開けるよ...

『ビックリえほん』──発想が活きる短いショートショート数

あらすじ 不思議でおかしい、ときにシュールなショートショートがたくさん収録された絵本。 個性的な文と、個性的な絵で、独特な世界観を築いている。 不思議な絵本。   シュールなショートショート集 なんともつかみどころのない絵本である。 『ビックリえほん』というタイトルからして、びっくりするようなエ...

『ピーマン大王』──どんな食事にも満足できなかった王様が、おいしいといったものとは

あらすじ ピーマン大王は、何を食べてもしかめっ面。満足のいく料理がありません。 家来たちは、食事をしてもらいたくて、努力しているのですが、それもうまくいきません。 かくなるうえは、ほかの国々の変わった食べ物ならば、大王の満足のいくものがあるかと思い、大王はともを引き連れ旅に出ました。 しかし、満足のいく料理に巡...

『イモヅル式物語』──おもしろい小話がたくさん入った絵本

どんどん出てくるおもしろ小話 特徴的な絵柄による、短編集絵本。 どの短編もつながりがないように見受けられる。たぶん、どの話から読んでも支障はないと思う。 表紙見返しに、作者からの前書きのような文章が載っているのだが、「ぼくのイモヅル式は、次々と色々な楽しくてバカバカしい(?)事件を、ここに恐れ多くもダラダラとお見...

『もじゃもじゃペーター』──いけないことをしているとこんなことになっちゃうよ

あらすじ 子どもをしつけるための小話集。 それぞれ主人公が違い、話の長さもまちまち。どの話から読んでも支障はない。 ほとんどの話が、いけないことをしてその結果、大変なことに遭うという教訓もの。 物語というより、教訓に少しストーリーをつけた感じの印象。 悪い子はひどい目に遭うというお決まりの結末なのだが、その「...