マッチうりの女の子

身をきられるように寒く、暗い、雪のふりしきる街を、ひとりの小さな女の子が歩いていました。足ははだしで、すりきれたエプロンには、マッチのたばをかかえながら。その日、一日じゅう、だれもマッチを買ってくれませんでしたので、家へ帰るわけにもいきません。女の子は、おなかをすかせ、こごえそうになりながら、とうとう、通りの家の壁のく...

ずどんといっぱつ

シンプは、ちっぽけで、ふとっちょで、誰が見たってみにくい、めすのこいぬです。いつまでたってももらい手がみつからずに、とうとうごみすて場のそばに捨てられてしまいました。日は暮れ、おなかはぺこぺこです。その夜はなんとかねずみに助けてもらいましたが、次の日には、ねこに追っかけられ、野犬狩の男につかまり…さんざんです。どうにか...

しりたがりやのこぶたくん

こぶたくんは、とうさんと畑仕事をした後ひと粒の種を見つけ、それをまきました。ある朝、「とうさん、種が芽を出した」とこぶたくん。「ペポかぼちゃみたいだな」ととうさん。それからこぶたくんは、自分のペポかぼちゃを大事に大事に育てました。やがて花をつけ、実がなり…、いよいよ夕ごはんにペポかぼちゃを食べることになりました。さて、...

あかいくるまのついたはこ

庭の木の下に、赤い車のついた箱がおいてありました。庭の木戸は開けっ放しです。好奇心いっぱいの動物たちは、木戸を通り抜け、箱をめがけてすすみます。はじめに雌牛が、のぞきます、じろじろ、じろじろ。次に太った小馬も、なんだろな。こんどはうさぎが、ぴょん、ぴょん。それから4ひきのこがもを連れた母さんがもも、つづきます。こねこも...

せかいのはてってどこですか?

いどの中に1ぴきのかえるがすんでいた。いどはいごこちがよく、しかもずっと前からすんでいたので、かえるはこのいどがせかいのぜんぶだと思っていた。でも、ある時いどの水がなくなり、かえるは、まだはねる力のあるうちにせかいのはてを見ておこうと、いどのかべをのぼりつめた。すると、目の前にあらわれたせかいのはての、なんと美しいこと...
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