暗闇の中浮かびあがる……『おんなのしろいあし』

ぼくは強い男だ。 だからオバケも怖くない。 オバケが出る古い倉庫に行くのだって、怖くない。   女の生白い足の怪異 友達たちとは違って、自分は強い男だと思っている「ぼく」。 オバケが出るといううわさの今では使われていない古い倉庫にだって、平気で入る。 雨の降る、暗い夕方、一人で倉庫に入った...

不穏な空気がどこまでもついてくる……『悪い本』

「はじめまして わたしは 悪い本です」 悪い本なんていらない? そんなことを言っていてもね…… あなたはきっと欲しくなる。悪い本が。 これから先、絶対に欲しくなる…… かきたてられる不安、どこまでもつきまとう「いつか」。 それは、おとなであれば分かるかもしれない。いや、きっと、おとななら分かる感情。……...

何かがいる。いるような気がする──『いるのいないの』

百鬼夜行シリーズ等で知られる作家、京極夏彦氏の書かれた怪談絵本。 不安げに天井を見上げる少年が、いやがおうにも不安を掻き立てさせます。 そう、これは怖い本なのです。   文章の持つ力と、絵の持つ力が合わさって、さらにこわい…… おばあちゃんの家で暮らすことになった少年。 おばあちゃんの家は、...
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