あらすじ
海に、すいかが浮いている。
すいかは、旅をしていた。
浮いているすいかに、いろんなものが訪れる。
会話することもなく、彼らは立ち去っていく。
あるとき、大きなクジラがやってきて……。
旅するすいかのお話
一面の青い海に、すいかがぽかんと浮いている。
すいかは、旅をしているのだ。
そんな、不思議な始まりを迎えるこの絵本。
個性的なタッチで描かれるすいかと海が、なんとも心いやされるようだ。
旅をするすいか、いろいろなものと出会う。
ラッコ、たこ、ペンギン……。
多くは、すいかを休憩所にする。なぜ、海にすいかなのか、などという回りくどい説明はない。
海にすいかが浮かんでいる、それだけだ。
難しいことを考えれば、これはひとの人生であるとか、生き方であるとか言えるのだろうが、この絵本には、そんなこまっしゃくれた考察は不要のような気がする。
そして、最後にすいかは、大きな大きなクジラと出会う。
あまりの大きさに、「なにをするの」とちょっとおびえ気味なのが人間味あふれていていいと思う。
そして、すいかは旅を続ける。
大きな大きなクジラに乗って。
きっと心地いいんだろうなあ。
海風を受けて。
広い海が心をいやしてくれる
話らしい話がないのがなんだかこの本の特徴のようにも思える。
文章量は少なく、淡々とした展開をしていくが、なぜか海の青さに心がいやされるかのような不思議な魅力がある。
幼児、低学年向け。