あらすじ
猫のくろすけは、威風堂々かっこいいスーパー猫。
ねずみだって追いかけることができるはずです。
「今日こそ、ねずみをおいかけてやるぞ!」
そう心に決めたくろすけ。
実は、くろすけはねずみを見たことがなかったのです。
「どこにいるんだ? ねずみ」
ねずみを探して、くろすけの探索は続きます……
スーパーな猫はねずみを勇敢に追いかけるんだぜ
本当にもう、くろすけがかわいい。
絵柄としてももちろん、かわいらしい絵柄なのだけど、仕草や行動が本当にかわいらしくて、まさに向こう見ずなやんちゃ盛りの子猫のよう。
本人いわく、自分は「いふうどうどうかっこいいスーパーねこ」なので、かわいいからってリボンをつけられるのがイヤなそうで。
自分で威風堂々かっこいいスーパーねことかいっちゃうあたりで、くろすけの程度がしれているというか……。
自分のスーパーねこ度を示すため、ねずみを追いかけることを思いついたのまでは納得だけど、くろすけ、肝心のねずみを知らない。
ねずみ知らないのに、どうやってねずみを捕まえるんだよ!
仕方ないので、出会った生き物たちに、おまえはねずみか?と聞いて回る。……まあそうですよね、その方法しかないですよね……。
見当違いな生き物に「ねずみか?」と聞いては、違う違うねずみはあっちに行ったと言われるくろすけ。
……そうなると、本物のねずみに出くわしたときにどうなるか……。
深く考えなくても、「自分がねずみです」と自己申告するねずみがいるわけがない。
うん、くろすけ、おばかなんじゃなくて、素直で信じやすい、ちょっとものを知らない子なだけなんです。
ねずみが「あっちでねずみが寝てた」と言うのを信じて進んでいった先に寝ていたのは……
でっかいかいぶつ!!!
いびきをかいて寝ている、でっかい怪物に向かって、くろすけは勇敢にも怪物を起こそうとする。何せ、彼の中では怪物=ねずみだと思っているので、起きてくれないことには追いかけられない。
ジブリ映画の隣の何とかみたいに、怪物の上でぴょんこぴょんこ……!
あのね、くろすけ、勇敢とね、無謀はね、違うんだよ!
君の行動は無謀だよ!
無謀な行動だったけど、何とか助かったくろすけ。
あんまりひどい目にあったので、もうねずみを追いかけなくてもいいかな……と考え始める。無理していつも勇敢じゃなくてもいっか……と。
そうだよ。いつもいつも勇敢である必要はない。
必要があるときに、勇敢でいればいい。君がいうと負け惜しみのように聞こえるけど、君にないのは見聞だけで、弱虫なんかじゃない。負け惜しみ……じゃないよね? くろすけ?
でも、ねずみは追いかけるのが大変だけど、「かいぶつ」は追いかけたくなるなんて、くろすけはとても勇敢なスーパー黒猫だ。
え? 意味が良く分からないって?
でっかいかいぶつのねずみは追いかけなくていいかなとは思ったけど、「かいぶつ」って自己申告してた動物は追いかけたくなるっていう、不思議な話なんだよ。
キャラクター化されたくろすけが愛らしい
猫の習性を生き生きと描きながら、お話のおもしろさもつまっている一冊。
猫好きの人にはたまらない一冊だろう。
文章の量も少なく、幼児から低学年あたりまでが対象だろうが、かわいらしい絵柄、ユーモアのある話、と、おとなが読んでもいやされる一冊となっている。
読み聞かせにも向いているだろう。分かりやすい絵柄から、複数に向けた読み聞かせでも映えると思われる。が、中学年から上には幼い内容だろう。
猫好きな人には是非とも手にとってもらいたい絵本だ。
個人的に、尋ねた相手がねずみじゃなかったときには、ちゃんと丁寧にお礼を言っているところがかわいかった。
