あらすじ
主人公の男の子は、ある日、レストランで「おおあたりぃ~~」。
なんと特大エビフライをもらった。
その後もいろんなところで「おおあたりぃ~~」。
次はどんな大当たりが待っているんだろう。
ハチャメチャにくじ運のいい子の話。
くじ運が恐ろしくいい子の話
出先で何かしたら、
おおあたりぃ~~
……という絵本である。
どんな本なのかこの説明だけでは不足があるのだが、だいたい、主人公の男の子が行く先行く先で、大当たりをあてるといった内容なのである。……というか、それ以外の説明のしようがない。
この大当たりは、くじ引きだけの大当たりではない。
100万人目お客さまに当たったり、電車に乗ろうと切符を買ったら大当たりだったり、だいぶすごい大当たりが待ちかまえている。
ファミレス100万人目お客さま大当たりの景品は、特大エビフライ。これはうれしい景品だ。商店街の福引きの大当たりは、大型テレビ。お父さんは空中ブランコが当たったそうで特訓中だとか……ちょっと……このあたりから雲行きが怪しく……
空中ブランコが当たるってどういう状況だ。
電車の切符を買ったらおおあたりぃ~~で、なぜか「ならまでいけるきっぷ」をもらえる。
いや、そもそもの行き先じゃない奈良の切符とかどうするの……?
でんしゃにゆられてガッタンゴットン
こんどはなにがあたるかな
絵の電車には、「とっきゅう なら」と書いてある。
えええー……奈良に行っちゃうんだ!?
しかも「こんどはなにがあたるかな」って、めちゃくちゃ想定してる……当たることめちゃくちゃ想定してる……。
大仏が当たったらどうしようとか言いながら、主人公家族は奈良に。
そこでしかせんべいを買ったなら、おおあたりぃ~~で、鹿三頭お持ち帰り……。
いろいろといいのだろうか……。
奈良編はそれで終わり、今度はペットショップで以下同文。
当たったのはカバ。
そんなのもらってどうすんだ……。
うちの にわでは
せますぎる
でも たのしいな~~
いや……まあ……鹿三頭とカバがいれば狭いだろうけど……。
最後は、台風がやってきて、大当たり。
幼稚園はお休みで、お母さんと一緒にいれる!という落とし方。途中の展開はハチャメチャだったが、結末は意外にもかわいらしいものだった。
幼稚園が大好きな子には、「大当たり」ではなさそうだけど、やっぱり「大当たり」だと思う子のほうが多いのかな。
話が全体的に散らばっているような印象
全体的に、展開がハチャメチャで、突如奈良に行ったりして、話が散らばっている印象を受ける。話の内容はあまりなく、タイトルの「おおあたりぃ~~」のノリで乗り切った感じである。
「おおあたりぃ~~」のフレーズがはまれば楽しい絵本だが、展開が突拍子もないので、幼児向けだろう。整合性を求めるようになったら、この絵本は向いていないと思う。