あらすじ
ある日、かみなりさまが家にきた。
おじいちゃんは、「いいから、いいから」とかみなりさまを歓迎して、もてなしていく。かみなりさまは恐縮しっぱなしだった。
かみなりさまが帰った後、ぼくとおじいちゃんはおへそをとられたことに気づいたのだが、おじいちゃんはそれも「いいから、いいから」。
おへそがないなんて、プールにいけない。
ぼくのおへそ、どうなるんだろう?
魔法の言葉
ほっこりする。
なんとも心がまったりする絵本だ。
かみなりがなって、気がついたらかみなりさまが家にいた。
おじいちゃんは「いいから、いいから」とかみなりさまたちを快く迎え入れる。
恐縮するかみなりさんたちに、「いいから、いいから」。
この「いいから、いいから」という言葉、なんてほっこりする言葉だろう。大丈夫、大丈夫と言われているみたいだ。
たいていのことは包み込んでしまう力を持った、「いいか、いいから」というすてきな言葉。
こんなふうに、「いいから、いいから」とゆったりした気持ちで人と接することができたら、どんなにかいいだろう。
かみなりさまは結局恐縮して帰ってしまうのだが、その後の展開がおもしろいし、ほっこりとする。
ついつい癖で、おじいちゃんと男の子のおへそをとってしまった。
ごめんなさい、となんと郵便で帰ってくる。
「いいから、いいから」と懐深く接したら、相手の心にも響くのだ。郵便は料金不足でお金をとられてしまったけど、おじいちゃんは変わらずの「いいから、いいから」だ。
オチもまたほっこり、ゆったり。
おじいちゃんの「いいから、いいから」は、緊張で乾きがちな心をほわんとゆるめてくれる不思議な力に満ちている。
おじいちゃんのキャラがいい
なんといっても和むのは、おじいちゃんのキャラ。
いいから、いいから、と懐が深いのか、かみなりさまを受け入れていく。
読み聞かせ映えもしそうだ。幼児、低学年向けだろう。