あらすじ
ぼくはレイフ。
中学生になったばかりだ。
中学校では、気になる子ができたり、身体の大きな悪そうなクラスメートに意地の悪いことをされたりと、そんな感じなんだけど、ぼくは友達のレオとともに、面白いゲームを思いついたんだ。
それは、学校の規則を破ること。
「枠にとらわれない」生き方を目指すために、ぼくたちは、規則破りのゲームを始めた。
ぼくの学校生活はどうなったのか……?
それは読んでのお楽しみ。
笑って少し考えさせられる、楽しい物語。
コメディと見せかけて実は……
裏表紙に「おながの底から笑えると思う」と書いてあったので、軽い日常系のコメディかと思って読んでいたら、コメディに包んだ多感な中学生の青春物だった感じ。
主人公のレイフは、中学生になったばかりの男の子。
あまりぱっとしない感じの男の子なのだけど、「だんまりのレオ」という友達と一緒に、学校の規則を破っていくことに生きがいを見出す。
この本は、レイフが書いたものという体裁を保ちながら進む。
こういう、規則を意味もなく破ることに対して、カッコイイと思いがちなのがこの年齢なのかもしれない。読んでいると、何故校則を破りたいのか、何となく気持ちの変化はわかるのだけど、この感情は男の子のほうがピンときそうだ。
規則を破ることで、憧れの女の子が注目してくれるのを良しとしているあたり、中学生も小学生もあまり変わらないのだなあとノスタルジーを覚える。
おとな目線で言ってしまえば、そんな規則破りに重きを置いているクラスメートなんて、女の子からしてみたら願い下げであることが多いのだが……。ワルと、ワルぶっているの差はでかい。
本書は、レイフの考えに考えた規則破りゲームの学校生活が中心に描かれていく。最初、「だんまりのレオ」という友達とそのゲームをやっているように見せかけるように書いているのだが、途中で、レオはレイフの空想上の友達だということが判明する。
それから描かれる、お母さんの恋人のこと、おしゃべりな妹のこと……。妹のほうとは険悪ではないが、このお母さんの恋人とは大きな溝があり、あまり穏やかな関係ではない。このお母さんの恋人という男が、また毎日ソファで寝そべってテレビを見ているような男で、レイフの神経に障る。妹も、このお母さんの恋人が好きではないようで、家庭内はお世辞にもいい環境とは言いがたいところが、なんとも生々しい。
レイフがお母さんに対しては愛情を持っていて、それをきちんと自覚しているところが唯一の救いのようにも見えるから、なんとも切ない。
コメディなのだが、あまりすっきりと笑える場面は少ない。
「人を傷つけないこと」を信条に、規則破りをしていくのだが、それに生きがいを見出すレイフの複雑な心情が繊細に描かれているのがこの本のメインなのではないかと思う。
最後は、何となく収まるところに収まったような結果を迎えるのだが、お母さんの恋人のくだりは、だいぶ生々しい。
それらを受け止め、たくましく生きていくレイフと妹は強い。三人だけでも、やっていけるだろう。そんな気持ちにさせる。
しかし、規則破りに没頭していく中盤のレイフを見ていると、「だんまりのレオ」のことも含め、表に出せない感情が曲がった感じに出ているようで心配になる。
繊細で多感。この難しい年齢を学園コメディを通して描いた一冊だと思う。
しかし、海外の中学生の規則破りの程度がすごくてびっくりする。
警報機を鳴らす、半裸で走り回る……
こんなに規則破りされたら大問題になるし、お金の絡んだ揉め事なんて明るみに出たら、現実には大問題になりそうだ。
文章は横書き
海外児童文学でたまにあるが、本文は横書きである。
挿絵は大体カットの大きさだが、豊富。
ティーンズ向け。