あらすじ
近道をしようとしたぼくは、気が進まなかったが墓場の前を通り過ぎることにした。
すると、墓場には立て札がたっていて、こんなことが書かれていたんだ。
ゾクゾクするけど
ワクワクする
ドキドキするけど
ウキウキする
これなあに
ヒント ○○け
ぼくはついつい、答えをつぶやいてしまった。
すると、なんと、ちょうちんおばけがあらわれて、正解者には「おばけいちねんぶん」をプレゼントすると言ったんだ。
おばけ好きには楽しい気分になるに違いない一冊
墓場に立っていた立て札に書かれたなぞなぞ。しかも、ご丁寧に大ヒントまで書き添えられているものだから、ついつい、答えを考えてしまう。そうなったら、この絵本に出てくるおばけたちの思うつぼだ。
『おばけいちねんぶん』、一年分とはどういうことだろうと思ったら、毎月一人ずつ、おばけが家にやってくるというものだった。何しにやってくるのかといえば、おどかしにやってくるわけではなく、遊んでくれたり役に立ってくれたりと、わりと快適な生活をプレゼントしてくれるのだ。
一月はろくろ首、二月は鬼、三月は泣き虫おばけ……月替わりでいろんなおばけたちが登場する。
それを、主人公の男の子が絵日記風にまとめていくといった見ていてもおもしろいまとめ方だ。
その内容もおもしろく、二月にやってきた鬼なんかは、節分で鬼の役をやってくれたというが、その後はお父さんの飲み友達となって、おつまみに豆を食べていたというのだから笑える。
その調子でおもしろおかしくおばけとの交流が描かれていくので、怖い部分なんて一つもない。
一ページたりともつまらないページなどなく、随所にユーモアがあふれていて、ページをめくるのが楽しくなる。
そして一年が終わろうかというとき、主人公の男の子はある推測をたてる。その推測はおそらく大当たりで、後味ののいい終わり方をする。読後感のいい絵本は個人的にも好きだ。
ところ狭しと描かれたおばけたちの絵は生き生きとしていて、見ていて楽しい気持ちになる。
おばけのひょうきんさ、憎めないかわいらしいところなどが詰め込まれた楽しい一冊。巻末のおばけ紹介もそれぞれ個性が際だっていておもしろい。しかもおばけすごろくつき。豪華である。
絵日記風の本文は見ていて楽しいが
意外と字が細かく、低学年の子が一人で読むには時間がかかるかもしない。それでもお化けの絵が実に生き生きと描かれているので、見ているだけでも楽しい。
複数に向けての読み聞かせは紙面のデザイン上、難しい部分があるが、内容は面白味に富んでいるので、おばけ好きな子にはおすすめしたい。
