チューリップ・タッチ

麦畑の光の洪水の中で、あたしは初めてチューリップに会った。そして、離れられなくなった。あたしたちは二人で、どこへでも行ったし、なんでもした。そう、ウソをつき、友だちを傷つけ、大人たちをからかった。ある日、空っぽの古い家畜小屋に火をつけた。空をなめる大きな炎と黒いけむり、舞い上がる火の粉。あたしは走った。全速力で…。生ま...