うらしまたろう

浦島太郎は船で現れた乙姫に誘われて竜宮へ。楽しい日々に、時を忘れていく浦島が、四季をめぐる部屋を目にし……。「古事記」の時代から語りつがれる昔話を、山下明生先生が流されていく若者の物語として再話。太郎を迎えにいく乙姫や、浦島が玉手箱を開けて歳を取ってからの結末が描かれ、余韻の残る物語となっています。町田尚子先生は、幻想...

だれのものでもない岩鼻の灯台

岩鼻の灯台はひとりぼっちとなり、だれのものでもなくなりました。まいばん、暗い海をてらしていた明かりもきえてしまいました。もう、ラジオの音も子どもの笑い声もきこえません。きこえてくるのは、足もとの岩にうちよせる波の音だけー...