あらすじ
てがみぼうやは、おばあちゃんへ書かれた手紙です。
ポストに入れられて、郵便屋さんに仕分けされて……さて、配達に出発!
しかし、てがみぼうやは、途中でアイスクリーム屋さんに惹かれて郵便屋さんの鞄から出て、アイスクリームを味見。そのうちに、郵便屋さんは行ってしまい、てがみぼうやは風に吹き飛ばされてしまいます。
吹き飛ばされて着地したところはなんと水たまり。
濡れてしまったてがみぼうやは、干し草の上で体を乾かすことにしましたが……。
おばあちゃんのところに行くまでの、てがみぼうやの波瀾万丈な旅が始まる。
手紙がおばあちゃんのもとにたどり着くまで
最近はメールやそのほか通信手段が発達してきたおかげで、手紙を書くということはめっきり減ってしまっているのではないだろうか。
本書は、手紙を主人公にした絵本である。
書いて出した手紙がどうなるのか、手紙を書くということをしたことがある子なら、思いを馳せたことは一度ならずあるだろう。
ポストの中に入れられた手紙、てがみぼうや。
彼は、おばあちゃんへと書かれた手紙だ。
おばあちゃんのもとへ行くぞと彼ははりきる。
ポストの中に入れられたてがみぼうやは、郵便屋さんの手によって郵便局に運ばれ、行く先に従って仕分けされる。
てがみぼうやの行く先は、「となりまち」。
「となりまち」に運ばれたてがみぼうやだが、そこで見かけたアイスクリーム屋の出店に惹かれ、郵便屋さんの鞄からひとりだけ抜け出してしまう。そしてアイスクリームをひとさじ、ごちそうになる。
手紙なのにどうやってアイスクリームを食べるんだ……というツッコミは無用である。些細なことである。
しかしアイスクリームに舌鼓を打っている間に、郵便屋さんが出発しようとしたので、彼はあわてた。急いで戻ろうとしたとき、風が吹いてきてヒラーン。とばされてしまう。
……ほらー、いわんこっちゃない……。
風で結構とばされたてがみぼうやは水たまりに着地。紙の大敵、水に濡れてしまい、てがみぼうやは干し草の上で体を乾かすことにした。
てがみぼうや、こんなことになったのに、自分の行動をあんまり反省してないところが何とも言えない気分になる。
干し草の上で体を乾かしていたてがみぼうやだったが、途中で寝てしまい、はっと気がついたときにはヤギに食べられそうになっていた。
あわや、というところに助けてくれたのは、牧場のおじさん。
牧場のおじさんは、てがみぼうやの宛先を見て、てがみぼうやをおばあちゃんの家まで、届けてくれた。めでたしめでたしである。
てがみぼうや、早くおばあちゃんに会いたいなあとか言ってるけど、そもそも、アイスクリームにつられなかったらこんな波瀾万丈な手紙人生を送ることもなかったのでは……?
手紙がおばあちゃんに届くまで
体感として話が長く感じる。
展開が展開を呼ぶ、お話を楽しむタイプの絵本である。
低学年向け。