『ぼくらはゆめのたんけんたい』──幻の動物、オオヅノダイジケンを求めて……

あらすじ

ペンギンのオーパスは、幻の動物、オオヅノダイジケンを発見するために旅立つことを決めた。
仲間は、家猫のビル、家虫のヨワムシ、家の子ロナルドアン。
張り切って出発したオーパスたち。

森を歩き回り、ついにオオヅノダイジケンの手がかりを見つけるオーパスたちだったが……。

果たして、オーパスたちは、オオヅノダイジケンを見つけることができるのか!?

 

幻の生き物を求めて……

幻の恐ろしい生き物、オオヅノダイジケンを発見するために、有名(になる予定)なペンギン、オーパスが仲間たちとともに旅だった。
メンバーは家猫ビル、家虫ヨワムシ、家の子ロナルドアン。
張り切っているのはオーパスばかりで、残りのメンバーはあまり乗り気じゃないみたい……。

でも恐ろしい幻のオオヅノダイジケンを見つけだすのは自分だとオーパスは信じていた。なんたって有名(になる予定)なんだから。

オオヅノダイジケンを求めて、探検家たちは森の中に入っていった。
待ち受ける試練(はなかった)、恐ろしい怪物(も出てこない)、暗闇の中での野宿(これは本当)……。

やっと見つけたオオヅノダイジケン!

幻の……恐ろしい……

……

 

あれ、おかしいな?
なんだか頭に角の生えた、犬のようにしか見えないんだけど……これがオオザノダイジケン?

 

オーパスたちは、オオヅノダイジケンと仲良くなった。
彼は孤独に生きていたのだった。
仲良く遊んだときの彼のうれしそうな顔!

 

幻の動物を大発見したと聞きつけたマスコミは殺到。
オーパスは機転を利かして、オオヅノダイジケンを隠した。有名(になる予定)なオーパスだけど、名誉より大切なことを知っているのだ。
それは、このオオヅノダイジケンを守ること。遠くへ逃がすこと。

 

そうして、オオヅノダイジケンはまた遠くへ行ってしまったのだけど、オーパスは満足だった。
オオヅノダイジケンという友達ができたのだから。

 

スケールのあまり大きくない冒険物語。
結構とんとん拍子に話が進んでいくけれど、それでも冒険のわくわくは伝わってくる。

最後のオーパスの行動には、友達思いの気持ちが感じられてほっとする。名誉欲旺盛なオーパスだけど、それより大切なことがわかっているんだね。
読後、さわやかな気持ちになれる一冊だ。

 

絵本というより児童書に近い

児童書並の文章量。どのページも文章量が多い。
絵はコミックのようなキャラクター性に満ちた絵柄である。
一人読みは中学年からだからだろうか。
低学年にはちょっと話が長いような気もする。