あらすじ
カメレオンは、いる場所によって体の色が変わってしまう。
自分の色を持ちたいと思っていたカメレオンだったが、もう一匹のカメレオンと出会ったとき、何かが変わった……。
自分の色を見つけるということ
いる場所によって、体の色が変わってしまうカメレオン。
動物には、それぞれの色があるのに、自分は色が変わってしまう。自分の色はもてないのだろうか……とカメレオンは考える。
ずっと葉っぱの上で暮らせば、ずっと緑色でいられて、緑という自分の色をもてると考えたものの、いざ実行してみると、葉っぱは紅葉し、しまいには枯れて……と色が移り変わっていくのだった。
自分の色を探すカメレオンを見ていると、自分を探しているようにも見える。しかし、なかなか自分の色を持つことができないカメレオン。
カメレオンは、もう一匹のカメレオンと出会う。そして、そのカメレオンに自分の悩みを打ち明けるのだ。
「ぼくらは どうしても
じぶんの いろを
もてないんだろうか?」
相手のカメレオンは、残念ながら持てない、と言う。しかし、こうも言うのだ。ぼくら一緒にいてみないか、と。
体の色が変わっても、二匹はお互いを認めていける。いろんなものの色に変わりながら、二匹は一緒にいつづけるのだ。
それは、心許なかった自分の居場所というものを見つけたということなのだろう。
とても寓話的
示唆に富んだ話である。テーマが難しい。
しかしただのお話として読むこともできる。
幼児、低学年向け。