あらすじ
お昼ご飯に、たこ焼きを作っている家族がいました。
しかし、作っている間に、雨が降ってきたので、家族はみんな洗濯物を取り入れに行ってしまいました。
その間、焼かれているたこ焼きがしゃべり始めました……。
焼かれている五つのたこ焼きは家族でした。
とうさんたこやきは、いかにしておいしいたこ焼きになるか、一生懸命説明してくれます。
果たして、たこ焼き家族はおいしいたこ焼きになれるのでしょうか?
たこ焼きとしてのプライド
大阪にはたこ焼き機が一家に一台あるって本当? これはイエスではないが、高確率で所持している家が多いっていうのならば本当である。
しかし、だいたい活用できずに、食べたいときは店で買うということのほうが多い。そっちのほうが早いしおいしい。たこ焼きの店ならょっと探せば結構な確率で見つかる。大阪限定かもしれない。
これはそんなたこ焼きの話。
ある一家が、たこ焼きを作っている。お昼ご飯に食べるのだという。
しかし、焼いている途中で、雨が降ってきて、家族は洗濯物をいれにその場から離れてしまう。
不用心この上ないが、火をつけっぱなしで離れて大丈夫か。
しかしそのとき、たこ焼きたちがしゃべりはじめたのだ。
五つ焼けているたこ焼きたち。
どうやら彼らは、家族のようだ。
たこやきぼうやが、焦げてしまうよ、というと、とうさんたこやきは、それはいかんとくるっとまわってみせるのだ。ぼうやもまねしてまわってみせる。
このとうさんたこやき、おいしいたこ焼きとは……で一家言持っているらしい。家族がおいしいたこ焼きになるよう、あれこれとアドバイスしてくれるのだ。志の高い、立派なたこ焼きである。
そうして、家族全員を立派なたこ焼きにさせたとうさんたこやき。誇らしそうだ。
人間たちが帰ってきた。
完成したたこ焼きは、人間に食べられる運命……。
たこやきぼうやの、「ぼくらまた会える?」の言葉に思わず胸が詰まる。
そうだ、彼らは今から人間に食べられるのだ……。
もう、再び彼らは出会うことはない……。
しかし、とうさんたこやきは、たこ焼きはおいしいと言って食べられるのが本望なのだと説く。
こんな切ないやりとりを全く預かり知らない人間たちは、たこ焼きを食べて、「おいしい!」と言った……。
終わり……
……かと思ったら違った。
第二弾のたこ焼きが焼ける頃には、「やあみんな」とたこ焼き家族は再会を果たすのである。
なあんだ、たこやきかぞくは
ずっとずっと たこやきかぞくなのでした。
なあんだ、よかった。
これで心おきなく、たこ焼きを食べれるってもんだ。
たこ焼きとして
たこ焼きとしてのプライドを持った、たこ焼き家族の話である。
いかにおいしく食べてもらうかが本領だと思っている。そのためには、自分でひっくり返ったりする。すごい。
幼児、低学年向け。
