あらすじ
あるところに、二匹のヤギがおじいさんと一緒に暮らしていました。
二匹のヤギの名前は、ショコラとさくら。
ある日、おじいさんは大きなクシャミをしました。
すると、目玉がびゅーん。飛んでいってしまいました。
おじいさんは、二匹のヤギに、目玉を探してきてほしいと頼みます。二匹は心得て、旅にでました。
旅先で見つける目玉は、おじいさんのものではありません。
二匹ははるばる旅をして、ようやく、おじいさんの目玉をみつけるのですが……。
目玉を探して旅にでるヤギ
なんだこりゃ……となった絵本。
装丁はなんだかとってもしゃれていて、これは女子にウケる!と思ったのだが、内容が結構無理してて、おしゃれ女子にウケる感じではなかった。どっちかっていうと、私みたいなトンデモ絵本大好きっ子にウケる感じであった。
主人公となるのは、二匹のヤギ。
名前はそれぞれ、さくらとショコラという。
彼女たちは、おじいさんと暮らしていた。
彼女たちは、おじいさんの目が自分たちと違っていることを不思議に思っていた。何せ、瞳孔が丸くて、真ん中にある。自分たちと違う。
それでものが見えるのか?と聞くと、意外に見えるとおじいさんは答える。なんか不思議な雰囲気漂う会話である。でもあまりおしゃれ感はない。
ある日、おじいさんがクシャミした。
大きな大きなクシャミである。すると……
すると、どうでしょう。おじいさんの、めだまが、とびだしてしまいました。
え……そんな……
ギャグマンガみたいな……。
唐突すぎて、心の準備ができていなかった。これは卑怯である。
おじいさんは、
「やあこまった、めだまがとんでいってしまったよ」
といいました。
さくらちゃんと、ショコラちゃんは、「ふうん」といいました。
なんでそんなに落ち着いているのか。
あまりの淡々ぶりに、この世界では、クシャミをしたら目玉が飛んでいくものなのか、と考えてしまう。そんな世界、イヤだが……。
おじいさんは、さくらちゃんとショコラちゃんに、飛んでいった目玉を探してきてくれと頼む。
二人はいいよ、と言って目玉を探しに行くことに。道中、手紙を書くねと言って……。
うん?
え、ちょっとまって。
目玉、そのへんに飛んでいったわけじゃないの?
え、旅に出るぐらいすごい飛行距離だったの!?
ツッコミが追いつかない。
そんな私をほっておいて、二匹のヤギは旅に出た。
いろんなところで目玉を探すけれど、なかなか見つからない。
彼女たちは、船に乗り、飛行機に乗り、おじいさんの目玉を探し続ける。いろんな生き物の目玉を見た。いろんな人間の目玉も見た。でもおじいさんの目玉じゃない。
どこまで飛んでいったんや目玉……。
どれほどすごいクシャミやったんや……。
そして、彼女たちはついに見つけたのであった。
そう、探し続けていたおじいさんの目玉を!
よーし、この目玉をもって帰って、おじいさんに渡せば、この旅も終わりを迎え……
ぱくっ
え……いや、え、なに、「ぱくっ」って……
「ぱくっ」って……
ヤギの片方が、おじいさんの目玉を食べた。
食べた後の感想「おいしかったわよ」。
そうかあ、おいしかったのかあ。目玉っておいしいんだ……
……じゃねえええ!
ちょ、ま、なにしてんのヤギ!!!!!
「おいしかったわよ」じゃねえー!!!
仕方ないので、おじいさんに手紙を書く。
目玉食べちゃった、と。
おじいさんは、紙を食べずに手紙を送ってくれたから目玉を食べてもいいんだよ、というよくわからない理由でヤギを許す。
ごめん、ちょっと意味が分からないし、意味が分からない。
しかも、おじいさんから許された手紙を見ても、二人は「ふうん」としか言わない。
狂気を感じる。
そしてさらに狂気をはらんでいるのは、この物語がこれで終わるということだ。
これは何かの示唆を秘めているのか?
何かの暗示があるのか?
何かの隠喩とか?
わからない。わからないし、だんだん、こういう世界観なんだと思い始めてきた。つまり、考えるのを放棄してしまったわけである。
なんじゃこりゃ……。
でもこういう絵本、嫌いじゃない。
文章の量はふつうだが
文章の量はふつうだが、字が小さい。
絵とかぶって読みづらい箇所もある。
謎な展開と淡々とした雰囲気が相まって、独特な世界を構築している。
低学年……向け……だろうか……?