あらすじ
池で生まれたカエル。
あるとき、鳥から、海の話を聞く。
海を知らなかったカエルは、海に興味を持つ。
海ってどんなところだろう。見てみたい……。
カエルは木に登って遠くを見渡してみるも、海らしきものは見えない。
海はどんなところなんだろう……。
池で生まれたカエルは海を知らない
池で生まれたカエルを主人公に据えながら、美しい池の風景を堪能できる絵本。
どちらかというと、絵がメインで文章は添えられているように思える。
緑の鮮やかな風景は、何とも心を清らかにしてくれる。美しい風景だ。
カエルは、あるとき、鳥から、海の話を聞く。
池の中しか知らないカエルは、海を一度見てみたいと思うようになる。
木に登ってみたら、海は見えるかしら。そう思って登ってみるが、海は見えない。どうやら、海は遠いところにあるようだ。
鳥から、いろいろな話を聞くカエル。
この池だけの世界の外には、いろいろなものがあるのだと知るカエル。
やはり、海の話がカエルの心をとらえてはなさない。
そして、カエルはまた、木に登り、海を見ようとする。
そのとき、初めて、カエルは池の水面に空が映り込んでいることに気がつく。この小さな池の中に空が──。
カエルは木から飛び、池の中に飛び込む。
彼はわかったのだ。
海も、空も、池も、すべてはみんなひとつ。
この大きなもののなかのひとつである、ということ。
この大きなもののなかのひとつであるカエルは、ここにいるのだと。
世界の一部である、ということにカエルは気づいたのであった。
詩的で哲学的
美しい絵と、少な目の文章が詩的に映る。
結末がちょっと哲学的で、子どもにはちょっと難しいかもしれない。
幼児から低学年が対象。
おとな向けの癒しとしても楽しめる。