あらすじ
お弁当屋さんを営んでいるタコさん。
タコさんのお弁当屋さんに来るのは、なんと空のお弁当箱。タコさんは、注文を聞いて、お弁当箱に具をつめてあげるのでした。
タコさんのお店は大繁盛。
すっかり売り切れになったタコさんのお弁当屋さんにに訪れたのは……。
お弁当屋さんを営むタコさんの話
お弁当屋さんを営むタコさん。
お客さんは誰だって? それはなんと、空のお弁当箱!
空のお弁当箱がお客さんとしてやってきて、お弁当をつめてくださいとやってくるのである。
そしてお弁当箱は中身をつめてもらって、お弁当箱の持ち主の元に帰り、食べてもらうのだという……。
へえー、こりゃまたすてきな……
……とおもったけど、それってコンビニ弁当を買って食べるのと大した違いがないんじゃあ……。
……まあいいか!
タコさんのたくさんの手足を使ってお弁当の具をつめていく様、豪快かつスピーディである。
できあがったお弁当のおいしそうなこと。
タコさんのお弁当屋さんが大繁盛なのもうなずける。
タコさんも忙しいときが一番幸せというのだから、この職業は天職なのだろう。
そんなタコさんも、見習い時代があった。
きびしい見習い時代だったようだ。その見習い時代があってこそ、タコさんのお弁当屋さんが成功しているのだと思うと感慨ひとしおである。
具材も売り切れ、一息ついていたタコさんのもとへ、小さなお弁当箱がやってくる。彼は、お弁当をつめてくださいと頼んでくる。しかし、つめる具材はない……。
その旨を告げると、小さなお弁当箱は大いにしょんぼり。
そこでタコさんは、自分が食べるつもりだったからあげと、おにぎりを作って、それらをつめ、唐揚げ弁当を作ってあげるのだ。
どんな時でも臨機応変に対応できるその姿、見上げたプロ意識である。そして、親切で思いやりがある。
いつでも、自分の仕事に忠実に。
最後のお客さんが帰ったあとは、帰りがけにお弁当の材料をとって帰る。
そんなタコさんのお弁当だからこそ、人気があるのだろう。
タコさんが忙しく働くよ
お弁当箱にお弁当をつめていくというお弁当屋さんを営むタコさん。
色合いも鮮やかに、タコさんがくるくると働く。プライドと真心を持って働いているのが伝わってくる話だ。
幼児、低学年向け。