あらすじ
動物園にいた猿のジョージは、動物園の外を見てみたいと思っていました。
そこで、ジョージは飼育員さんの隙をついて、動物園からうまく逃げ出します。
はじめてみる動物園の外は、珍しいものばかり。
ジョージは大興奮です。
おなかの空いたジョージは、レストランの厨房に入り込み、大鍋の中のスパゲティを引っ張りだして食べ散らかしてしまいました。
それを見つけたコックさんは……。
動物園を抜け出した小猿、ジョージのはちゃめちゃな冒険!
好奇心旺盛でやりたがりな小猿ジョージ
猿のジョージを主人公にした絵本。
好奇心旺盛なジョージが、いろんなことに首を突っ込んで、てんやわんやになるけど丸く収まるという、ドタバタコメディである。
いらんことを楽しげにやらかすジョージ、ほほえましくもありハラハラもさせられる。人によっては、ジョージがあんまり自由なので、憎たらしく感じるかもしれない。
動物園にいたジョージは、動物園の外を知りたかった。なので、うまいことやって、動物園の外へ飛び出す。
走っているバスに飛び乗って景色を楽しむジョージ。
そのうち、おなかが空いてきて、おいしそうなにおいにつられてレストランに忍び込む。
ジョージはレストランの厨房で、大鍋の中からゆでたスパゲティを引っ張りだしてはつまみ食い。体中にスパゲティをまとわりつかせて、大惨事である。
それを見たコックさんはすごく怒った……ことはなく、「しんせつなので」あまりしからなかったとか。
いやー……
でもこれはしかるとこじゃないのかなぁ……?
しからなかったかわりに、コックさんは、ジョージに皿洗いをさせる。猿が皿洗いをしている店に入りたいかというと若干抵抗があるが、コックさんはのんきにこんなことを言っている。
「きみは、てが 4ほんもあって、いいなあ。ばいも はやく、しごとが かたづくもの」
本当にのんきなコックさんだ……。
このコックさんの紹介で、ジョージは次にガラスふきの仕事につく。
労働力として見られたジョージ……。
ガラスふきをしている間、部屋の中をのぞかないように、と釘を刺されるのだが、それを守れるはずもなく……
最初は覗かないようにしていたものの、ついにジョージは好奇心に負けて、ペンキ屋さんが仕事をしている部屋に入ってしまう。
あるのは真っ白な壁。そして具合のいいことに、ペンキ屋さんはお昼休憩。つまり、部屋にいるのはジョージひとりだけ!
やりました。
やっちゃいました、ジョージ。
真っ白な壁にお絵かき!
だけど、今度はコックさんみたいにいかない。やらかしたジョージを発見したペンキ屋さんたちは、ジョージを追いかけます。逃げるジョージ、追いかけるペンキ屋さん。
ジョージは非常階段から逃げる。いつもの調子で、高いところから飛び降りたら……地面が土じゃないので、けがをしてしまう。まもなく、ジョージは救急車で運ばれることに。
ペンキで落書きの一件は、大けがに免じて不問に処されたようである。
いい気味だ、という言葉を投げかけられているが。
ジョージは骨折、入院。ペンキの一件を後悔する。
しかし、今更である。
そんなジョージのことを報じた新聞を、たまたま、黄色い帽子のおじさんが発見する。そして、黄色い帽子のおじさんは、病院に電話をかけて、ジョージが早くよくなるようによろしくお願いします、といい、ついでのようにこう言うのである。
じょーじを さつえいじょへ つれていって、じゃんぐるにいたころの えいがを とりたいのです。
ええええー突然だな!
唐突な映画撮影はともかく、もういたずらさせないようにしてください、と言った黄色い帽子のおじさん。
しかし、ジョージは入院中も好奇心に負けていらんことをする。
それでも許されるジョージ、愛されているのか、悪運が強いのかなんなのか……。かわいいって武器だな……。
退院のときには、黄色い帽子のおじさんが迎えにきてくれて、ジョージはその足で映画会社に向かい、社長と契約。なんと映画俳優に。
すごいご都合主義展開だな!
ジョージは映画で大活躍。
そうしてできあがった映画には、ジョージが知り合った人全員を呼んだのだとか。これでこの話は終わる。
とにかく知りたがりで、やりたがりのジョージが好奇心の赴くまま行動して(主に周りが)ドタバタしながら、ハッピーエンドになる話である。
かなりご都合主義的な展開をするのだが、しりたがりのジョージがかわいいと思える人は、楽しめる内容だろう。好奇心旺盛で活発な子どもも、ジョージの活躍に胸躍らせるに違いない。
絵本だが、文章が多く、話が長い
かわいらしい挿し絵が豊富に入っているとはいえ、文章の量はかなり多く、話も長い。
低学年からが対象だろう。