あらすじ
「わたし」は、ある日、屋根の雪がとけて、雫がぴちゃぴちゃとうれしそうに落ちているのに気がついた。
なぜそんなにうれしそうなのか雫に尋ねると、雫は、「いいことがあるから」と答える。
「いいこと」とは何だろう。
気になった私は、答えを探しに外へ……。
雪解けの季節、春の気配に耳を澄ませば
雪解けの季節。
屋根につもった雪が溶けて、雫をひっきりなしに落としている。
春の訪れをいろんなものから知っていく、という絵本である。
擬音語がみずみずしく、個性的。
主人公の「わたし」は、雫の落ちる様を見、音を聞いて、それをうれしそうだと感じる。「わたし」は、雫に、どうしてそんなにうれしそうなのか尋ねる。
すると雫は、
ぴちゃ ぴちゃ ぴてぴて ちろろろろ
いいことが あるからよ
いいことが あるからよ
……と答える。
「いいこと」? いいことってなんだろう。
「わたし」は興味を引かれて、「いいこと」って何なのか、外に出ていろんなものに尋ねて歩く。
小鳥、川、風……
いずれも、いいことがあるからうれしい、と言うだけで、なにがいいことなのか教えてくれない。
なんでもったいつけられるのか理由がよくわからないが、みんなにもったいつけられて「いいこと」を教えてくれないので、「わたし」はだんだん拗ね始める。
転んだまま、雪に頬をつけていた「わたし」。
ふと、雪の下から、不思議な歌声が……。
しゅん しゅん しゅん
ろ ろ ろ ろ ろ
雪を掘ると、そこには金色の花が咲いていた。
春の訪れを感じさせる一場面だ。
「いいこと」とは、これだったのだ。
春の訪れ。
寒い冬を乗り越えて、ふっと気がゆるむかのような発見である。
擬音語がみずみずしい
擬音語がみずみずしく、口に出して読みたくなってくる。
幼児、低学年向け。
