あらすじ
美しいという噂の姫様が、妖怪にさらわれてしまった。
姫を救い出したい殿様。
姫の救出に名乗り出た二人の侍がいたが、その二人の侍は帰ってこなかった。
そこで殿様は、町中に姫様の似顔絵をはり、姫を助け出したものにはほうびをとらせるとおふれを出した。
そこに通りがかったのは、ささざむらい。
彼は、悪い妖怪を退治したいと、姫の救出に名乗りをあげたのであった。
美しい姫様をさらった妖怪を退治せよ!
みつ豆城には、美しいお姫様が住んでいるという噂があった。
しかし、ある晩、お姫様は妖怪にさらわれてしまい……というプロローグから始まる絵本。
お姫様がさらわれたということで、お城の中は大変な騒ぎ。
特に父親のみつ豆殿様は大騒ぎしている。
「ちっちゃいころから
たいせつに そだててきた ひめじゃ
やっと けっこんできる としに
なったというに・・・」「ようかいなどに とられて
たまるか!
はやく たすけるのじゃ!
ゆうかんな さむらいを
つれてこい!」
うん?
なんか、「やっとけっこんできるとしになったというに」「ようかいなどに とられてたまるか」という言い回しが引っかからなくもないけど、殿様、本当に姫のこと心配してるんだよね……? ね?
そこに名乗りをあげた侍、「さくらざむらい」と「かしわざむらい」。
彼らは姫を助け出すべく、旅立っていった。
だがそれが彼らをみた最後の姿だった・・・。
そう、この二人の侍、帰ってこなくなったのである。
殿様、待ちくたびれてかんかん。
いや、ふつう、「やっぱりだめだったか……」的な落胆しない?
そもそも、姫をさらった妖怪の情報が全くゼロのまま、旅立たせたのだから時間もかかるのでは……
殿様は、姫を取り戻すべく、今度は姫の似顔絵を町中に張って回らせた。立て札もたてた。
『あんみつひめを さらった
ようかいを たいじしたものには
ほうびを つかわすみつまめとの』
そこに通りがかったのは、「ささざむらい」。
悪い妖怪を退治したいと、姫の救出に名乗りをあげる。
そして妖怪退治の旅に出るのだが……全くのノーヒントで旅だって大丈夫なの……?
ヒントも手がかりもないまま旅だったささざむらい。
行く先行く先で妖怪と出くわし、これを見事に改心させ、お供にする。
お供は、「ようかんかっぱ」と「ろくろっくし」、「のっぺらきんとん」。
こうして、ささざむらいとお供たちは、いかにもあやしげな洞窟にたどり着き……なんと運のいいことに、姫をさらった「だいふくにゅうどう」に遭遇するのであった! 運がいいな本当に!
戦いの勝敗は、簡単についた。
あんまり簡単に勝敗がつきすぎて、ささざむらい一行も肩すかしをくらった状態だ。
しかし、これには理由があった……。
「はぁー あのひめさまのせいで
ぐったりなんじゃ
よめにしようと さらったが
とんでもない くいしんぼうでの・・・
さっさと つれて かえってくれ!」
くい……しんぼう……?
あれ、美しい姫様という噂だったけど……食いしん坊な美しいお姫様なの…か……?
でも、さっさとつれて帰ってくれ、とは……?
いやな予感がもりもりしてくる。
そして、そのいやな予感は見事的中したのであった。
部屋の奥で、もちを食べまくる姫様。
あれ、これ、殿様が家来に書かせた似顔絵の姫様とちょっと違うんじゃない……?
姫様の近くでは、餅を丸める「かしわざむらい」と、お茶をいれる「さくらざむらい」……二人とも妖怪との戦いで命をおとしたわけではなく、姫様の給仕をさせられていたのであった。
しかも、姫様、お城に帰りたくない様子。
大福入道のおもちを食べ続けたいし、お城の者たちは何かとうるさいから帰りたくないとのこと……。
なんだかなぁー……
そこでささざむらいは、姫様を踊りに誘う。踊りといっても、ダンスではなく、盆踊りのほうである。みんなが踊り出す。姫様もつられて踊りだした。踊りは一晩中続き、疲れた姫様は眠ってしまう。
その隙をついて、ささざむらいは「ささまきのじゅつ」で姫をぐるぐる巻きにして、強引に城につれて帰ることに。
……これ、簀巻きにしてるのとかわらなくない……?
お城に姫を連れ帰ったささざむらい。
殿様は大喜び。そして殿様はいうのだ。
「だれかに ひめの
むこに なってもらおう」
これには、結構です、と逃げ出す仲間たち。
最後に残ったささざむらいは、結婚をお断りして、ある提案をするのであった……。
うーん、その提案も、なんだかなあ……?
明るい色合いの、かわいらしい絵柄で描かれるお菓子の世界は、見ているだけで楽しい。丁寧に書き込まれた背景、景色が、この絵本の世界観に色を添えている。
見た目より文章の量が多い
文字のサイズが小さめで、文章の量もそこそこある。
話の内容はコメディ。王道なお姫様を期待して読むとがっかりする女の子もいるだろう。
幼児、低学年向け。
