あらすじ
小さな雲がやってきて、小さな池に雨水が降り注ぐ。
でも池の中にいた金魚は気にしない。かまわず昼寝を続けた。
雨はまだ降り続き、池が一回り大きくなった。
すると、カエルが遊びに現れた。
金魚はカエルが来たのを知っていたけれど、眠ったふりを続けた。
まだまだ雨が降り続く。
池はもう一回り大きくなった。すると、アヒルが遊びに来た。
金魚は、アヒルがやってきたのを知っていたけれど、眠ったふりを続けた。
雨がもっと降って、池はもっと大きくなった。
今度はイヌが遊びに来て……。
雨が降って、大きくなっていく池
金魚が池で昼寝をしていると、雨が降ってきて……というかわいらしいシチュエーションから始まる絵本。
ページに仕掛けがしてあって、池の部分は丸く切り抜かれている。雨が降り続き池が大きくなると、その丸形の切り抜きも大きくなっていくといった具合だ。
この絵本の半分は、そのかわいらしい仕掛けにあるといっていい。
雨がだんだん降ってきて、金魚が昼寝していた池は大きくなっていく。すると、池で遊ぼうとして、カエルやアヒル、イヌが寄ってくる。その存在に気づいていながら、金魚は眠ったふりを続けるのだ。それはなぜかというと……
きっと だれかが
「いっしょに あそびましょ!」
って、おこしてくれると
おもっていたから……。
それなのに……
誰も起こしてくれず、周りだけでわいわい遊び始めたから……
金魚キレた。
ええー……気持ちはわからないでもないけど、怒らなくても……。
金魚が怒ったせいで、みんなが金魚と一緒に遊ぶようになった……わけではなく、みんな寝ているところ騒いでごめんね、と立ち去ってしまうのだ。ぞろぞろと帰っていくみんなにあわせ、池も小さくなっていく。
えええ……いいの? みんな帰っちゃうよ……?
それなのに、金魚はヘソを曲げてプンプン。
みんなが帰ってしまって、池のサイズも前の通りに。
そして、最後に金魚はぽそっと涙目でつぶやくのだ。
「はじめから
ぼくも なかまに いれてって
いえば よかったな……。」
そして、この絵本は終わる。
絵本らしからぬ終わり方にちょっとびっくりだ。フォローなしである。潔い。
いつまでも拗ねてたらみんないなくなっちゃうよ、という教訓だろうか。もしそうなら、この後味の悪さも仕方ない……かな。
絵も可愛らしく、仕掛けもおもしろい
絵も可愛らしく、仕掛けもおもしろいのだが、話の結末が少し後味が悪い。読み聞かせのときはフォローが必要かも。
最後のページの、ぽつんと一匹残った涙目の金魚はやはりちょっとかわいそうに見える。
でもよく考えれば、金魚は自分のせいでひとりぼっちになってしまった面もあるので、自業自得ともいえる。逆に考えれば、その旨を教訓にできるよい絵本でもある。
幼児向け。
