あらすじ
お弁当箱の城に、家来とともに住んでいるゆでたまご姫。
室内で遊ぶのに飽きて、家来が止めるのも聞かず、外に遊びに行ってしまいます。
すると、姫をねらう怪しい影……
なんと、姫は、サンドイッチ兄弟にさらわれてしまいます。
姫を助け出すべく、城一番の力持ち、おにぎりたろうが後を追いますが……。
ゆでたまご姫がさらわれてしまった!?
かわいいかわいい、ゆでたまご姫。
お弁当箱のお城に家来とともにすんでいるという。
「はあー、わらわは たいくつじゃ。
おはじきも おりがみも カルタも あきたのじゃ」
ワガママ姫の予感を感じさせる幕開けである。
ワガママ姫をかわいいと思えるまでには私はおとなになり切れていないのだが、大丈夫だろうかと一抹の不安がよぎる。
「ひめさま、じいと おてだま しましょう」
しろい おひげの ソーセーじいが いいました。
ソーセーじい。
……ソーセーじい……。
ともかく、室内で遊ぶのに飽きたゆでたまご姫は、家来が止めるのも聞かず、外に遊びに行ってしまう。
「わらわは そとで あそぶのじゃ」じゃないよ。さらわれたりしたらどうすんの……。
……と思っていたら、姫、サンドイッチ兄弟にさらわれました。
やっぱりな!!
さらわれた姫を助けるため、城で一番の力持ち、おにぎりたろうが名乗り出る。
どうか姫を助けてくれと頼まれて、おにぎりたろうとその子分うめぼしまるたちが出発。
そのころ姫は、ハムサンド王子と対面していた。
姫はおびえ、怖がっていた……様子もなく、これからサンドイッチのお城で暮らすんだよと言われて、「いやじゃ。わらわは かえるのじゃ」と相変わらずの様子。
ぜんぜん困ってない。状況が飲み込めてない。……大丈夫なのか……。
サンドイッチたちは、ゆでたまご姫をたまごサンドにすべく、にじりよる。あわや、姫はどうなってしまうのか……!
……という緊迫感はなく、すぐに助けにきてくれるおにぎりたろう。
もう少し姫が困ってから助けにいけばよかったのに。
(おにぎりたろう)「だいじな ひめを
たまごサンドに させるものか」
(姫)「おにぎりたろうさま がんばって!」
誰のせいでおにぎりたろうががんばらなくちゃならなくなったと思ってるんだ……。
おきまりのチャンチャンバラバラ!
おにぎりたろう、武器のおはしがおれてしまった!
ピンチを救うは、子分のうめぼしまるたち!
そして、おにぎりたろうの勝利!
よくよく理由を聞いてみれば、サンドイッチたちはゆでたまご姫と友達になりたかったのだとか……。
仲直りをして、お城でみんな仲良く遊ぶ姫たち。
退屈だった毎日も、楽しくなってよかったね姫様。もうワガママは言わなくてすむ……かな?
のどかでのんびりした雰囲気の漂う……
お姫様がさらわれて、たまごサンドにされそうになっているのになぜかあまり緊迫感がない、のどかでのんびりとした空気の漂う絵本。
暖かみのあるイラストがそうさせているのだろうか。
お話は王道ながら、起承転結があり、読んでいておもしろい。ただ王道すぎて、目新しいところがあまりないのは確か。
読み聞かせで引きつけられるのは幼児までかも。
ゆでたまご姫の絵がかわいい。