あらすじ
飼い主のケッペルさんに飼われているクニャンは、三匹のイヌと暮らしています。
クニャンには夢がありました。
先輩イヌたちのように、仕事をこなして、ケッペルさんに褒めてもらうこと!
だから、クニャンはある日、イヌたちにお願いして、それぞれの仕事を譲ってもらったのですが、どれもうまくいかず失敗……。
ケッペルさんも、クニャンを褒めてはくれません。
しょんぼりしたニャンの前を、ネズミが……?
ネコだけど自分はイヌだと思っているっぽいネコのかわいさよ
まず、タイトルと絵が矛盾している。
え、イヌ……? イヌ……? ネコ……。
その理由は、読むと分かる。
三匹のイヌと暮らす、クニャン。
四匹はとても仲良し。
みんな、公園でボール遊びするのが好き……なんだけど、明らかにクニャンだけ、遊び方が違う。
もうその時点で、見た目から中身から彼がネコであることは間違いがないのだけど、彼は、他の三匹のイヌたちのように賢いイヌになりたいと願っているのでありました。
何故って、それは、飼い主のケッペルさんが褒めてくれるから!
かわいい……かわいいすぎるぞ、クニャン。
どうやら、クニャンは、自分がネコではなく、イヌであると思っている様子。
三匹のイヌに囲まれて育てば、多分……そうなるかな……。
だから、クニャンは、先輩三匹のすることをやってみたいと思っていた。
毎朝起こす仕事を譲ってもらったり、新聞をとりに行く仕事を譲ってもらったり、ケッペルさんが履く靴を選ぶ仕事を譲ってもらったりするクニャンだけど、どれも失敗……。ネコの習性が出てしまうのか、譲ってもらった仕事はみんな、ネコの習性でダメにしてしまうのであった……。
ケッペルさんに褒められなくて、しょんぼりするクニャン……。
だって、あなた、ネコなんですもの……。
そんなとき、目の前を、ネズミが通り過ぎていくのを見たクニャン。
ネズミ!
クニャンは思わず、ネズミを追いかけた。
すると……ベッドの下で、なにやら発見。クニャンは嬉しくなって、ケッペルさんにそれを持っていく。
なんと、それは、ケッペルさんのメガネ!
ケッペルさんは おおよろこび
「すっかり わすれていたよ!
もってきてくれて ありがとう」
ケッペルさんに褒められて、クニャン大喜び。よかったね。
めでたしめでたし……なのだけど、ケッペルさん、自分がメガネをかけていないことに気づいていなかったのだろうか?
枕もとの壁に「めがね わすれない!!」と描いてあるけれど、このメガネは、老眼鏡? それとも……?
絵が細かく書き込まれていて、見ていて楽しい。
そもそもメガネが、ベッドの下にあったのは誰のせいかって……クニャンのせいなんですけどね。
書き込みを眺めても楽しめる一冊
イヌ好き、ネコ好きにも対応した絵本。
絵そのものは鉛筆画のようだが、書き込みが細かく、見ていると楽しい。
低学年向けだろう。