あらすじ
ウサギのフリップは、クマが大好き。
あるとき、クマを捕まえようと思い立ち、『クマの つかまえかた』という本を買ってきます。
友人ポポと一緒に、本を参考にしながら、クマを捕まえようとするのですが……。
ウサギがクマを捕まえる!?
クマが好きなウサギのフリップが、友達のポポと一緒に、クマをつかまえようと奮闘する話。
ウサギがクマを捕まえる……新しい。
捕まえてどうするのだろう……ペットとして飼うつもりなのだろうか……。そのあたりが描かれていないので、そこは想像に任せるしかないのだが、冒頭から主人公のフリップがなかなか飛ばしていて面白い。
彼はクマが大好き。クマならどんなクマでも大歓迎らしい。
そしてクマを捕まえたいらしい。
「でも、クマって、どこにいるんだろう。
いちどで いいから、つかまえたいな!
うんと、モジャモジャで、
うんと、きけんな クマがいい」
本当に彼はうんと危険なクマを捕まえて、どうするのだろう……。
そして彼は思い余って、『クマの つかまえかた』という本を買ってきて、実践することにする。
普通、本を買ってきたら、一度すべてに目を通してから、実践に移ると思うのだが、フリップはそんなまどろっこしいことはせず、読みながら実践していくのである。
最初のページには、クマを捕まえるための心構えが書かれている。
クマを つかまえに いくときには
じゅうぶんな ちゅういと じゅんびが ひつようです。
いちばんの おすすめは ともだちを つれていくことです。
あなたより うんと ふとっている ともだちを えらびましょう!
ワーオ……かわいらしく繊細なタッチの絵柄に反して、ブラックなジョークがいきなり出てきてびっくり。
主人公のフリップは書かれてある意図を汲み取ったのか汲み取っていないのか、とりあえず友達のポポを連れてくる。
そうして、二人でクマを捕まえようと、本を読み進めながら準備を整えていく。
魚取り用の網とヒモが必要だとか、懐中電灯が必要だとか、もっともらしい説明とともに準備するものがあげられているのだが、どれもこれもクマを捕まえるのに必要なものとは思えない。……ねえ、この本、本当に大丈夫?
クマを捕まえるため、クマを探す二人。
何度も心配になってくるんだけど、二人とも、クマってどんな動物か分かってる? ねえ、捕まえてどうするの?
そして、念願のクマとのエンカウント。
本には、クマに出会ったときのヒントが書かれている。クマがもうご飯を食べ終わっていますように、と祈ること……。
であったクマに興奮するフリップ。怖くなってきたポポ。
フリップは網とヒモでクマを捕まえようとする。網とヒモだけでどうやってクマを捕まえるつもりなんだ……。
あいにく、クマはフリップとポポに気づいていない様子。
『クマの つかまえかた』の本のページをめくると、そこにはクマの大好物が何か書かれていた。
そう、クマの大好物、それはウサギ!!!!
フリップとポポは、それこそ、何もかも投げ捨てて、脱兎の如く逃げ出したそうな。
そう、ウサギなだけに。
画面の構成上、読み聞かせしづらい
ウサギがクマを捕まえようとする、なかなか発想できない展開をする本書だが、『クマの つかまえかた』の本文と、普通の文両方読んで面白さがわかる絵本なので、読み聞かせしづらい構成となっている。
低学年向けだろう。
繊細でかわいらしい絵柄と反して、内容がなかなか突飛で面白い絵本である。
