あらすじ
ハナは、ゴリラが大好きだ。
関連する書籍はいっぱい読んでいるし、ゴリラの絵も描いた。
だが、こんなに好きなのに、ハナは本物のゴリラを見たことがなかった。
お父さんが忙しすぎて、ハナを動物園につれていってくれる暇がないからだ。
お父さんはいつも忙しそうで、なかなかハナをかまってくれない。
誕生日の晩、ハナはわくわくしながらベッドに入った。
なぜなら、お父さんにお願いしたからだ。
プレゼントは、ゴリラにしてって。
ハナが真夜中に目を覚ますと、ベッドの下に小さな箱が……。
少女が見た一夜の楽しい夢
なぜか、小さい子どもは、「ゴリラ」という単語に反応し、なにもおかしくなんかないのに笑い出す。特に男の子に顕著だ。なぜだ。よくわからない。
ゴリラ。
かっこいいじゃないか。
イケメンのゴリラすらいる世の中である。ゴリラ、大いにいい。おまけに賢い。
この『すきです ゴリラ』に登場するゴリラ、本当にすてきでかっこいい。夜中に現れたゴリラが、紳士よろしく、夜の動物園に行こうと誘ってくれる。彼の物腰は知的でとても紳士的だ。
このゴリラは、主人公の女の子の理想の結晶だろう。ところどころ、父親と重ねてしまうところは、彼女の世界がまだ小さく、身近な男性で理想を抱くとすれば父親だからだろう。
しかし作中のゴリラのイケメンぶりに、乙女心はキュンキュンである。
こんなイケメンなゴリラなら、一度はデートをしてみたい。
見事なエスコートで夜のデートを楽しむ少女。
動物園に映画、食事……完璧すぎる。
その上、しめはダンスなんて、どこの恋愛ドラマだろう。キュン死間違いなしである。
繊細なタッチで丁寧に描かれたゴリラはとてもイケメンでほれぼれとする。ゴリラばかりか、霊長類の何とも言えない表情がまたすばらしい。動物園の悲哀に満ちたチンパンジーの表情、思わずページを繰る手が止まる。
そして心があたたまる結末。
ゴリラとのデートが、父親がかまってくれない寂しさから見た夢だったとしても、悲しい気持ちにはならないエンディングである。
少女の夢見たゴリラ、何とも素敵でイケメンじゃないか。
ゴリラ、最高である。
願わくは、「ゴリラ」という単語が悪口になりませんように。
ゴリラが素敵だが……
知的で紳士的なゴリラが、一夜、ご一緒してくれる内容である。行楽にきた親子というよりは、恋愛の気配が漂っている。
対象は低学年向けだろうが、男の子にはあまり興味を持ってもらえない内容だろう。女の子が好みそうな内容である。
読み聞かせもできるが、上記のとおり、好みが分かれるので、複数に向けての題材としては難しさが残る。
