あらすじ
ノマは段ボールの箱を見ながら、考えていました。
今日はなにを作ろう?
そうだ、機関車を作ろう!
そうして、ノマは早速、機関車作りに取りかかったのです。
繊細な絵柄で生き生きと工作に励む少年を描く
モノづくりの楽しさを、繊細な絵とともに描いた絵本。
一部の子どもは、モノづくりが大好きだ。
空き箱や、牛乳の紙パックなどを使って、いろんなものを作ってくれる。
一見してそれとわかるものから、作者のありがたい説明を受けないとわからないものまで、実にさまざまなものを子どもたちは作る。
モノを作っているときの子どもたちの表情はとても真剣で、それでいてとても生き生きとしている。
型どおりのものを作るより、想像力を働かせて作ったもののほうが子どもたちには思い入れが強いようで、たびたび、作ったものを持ってきてはおとなに披露してくれる。
本書も、そんな子どもたちの生き生きと輝く目、真剣な表情を見事に描いている。
モノづくりの情熱を燃やし続けてきた子は、いつかびっくりするようなものを作り出すかもしれない。
何かを懸命に作っている子どもの姿を見ると、子どもの持っている無限の可能性がまぶしくてならない。そんなとき、自分は、子どもたちの発想力や想像力の芽をできるだけつみ取らないよう、注意を払う。
作り出したものをむげに扱わないこと。
作り出したものがいっぱいになって捨てなければならなくなったときは、必ず本人に許可をとること。
そして、ノマの母親のように、機関車の車輪について聞かれたときは(答えを知っていれば)正直に教えてあげるが、そうでないときはあれこれ口を挟まないこと。
優しく見守るノマの母親からは深い愛情を感じるとともに、ノマの良さをのばそうとする姿勢も感じられる。
母親もわからなかったことを調べるノマの姿はすばらしい。
わからないことがあったら調べる。
ネットが浸透した現代社会でも、これがなかなか難しい。
自分なぞはわからないことを(急を要するものでなければ)二、三日胸の内に抱えて煩悶しつつ日々を過ごし、その煩悶に辟易したころ、ようやっと重い腰を上げて調べる……なんてことがざらにある。
いやはや、ノマのその姿勢には恐れ入る。
ノマは、これからもどんどん、いろんなものを作り出していくに違いない。
現代社会の子どもたちも、そのモノづくりの情熱を燃やし続けててほしい。工作用に、と空き箱をとっておくとスペースをとって仕方ないのだが、それは未来への投資と考えておくことにしよう。
工作好きな子は共感する内容
あれこれと考えを巡らせながら、モノを作る楽しみを知っている子は共感する内容だろう。逆に、モノづくりにあまり興味のない子はあまり楽しめない内容かもしれない。
対象は幼児から低学年ぐらいまで。中学年は少し厳しい。
主に段ボールで汽車を作っていく過程をつづっただけの内容なので、複数に対する読み聞かせだと、興味を持たない子が出てくるかもしれない。
