あらすじ
ヘンリーは本が好き。
好きは好きでも、食べるのが好き。
本を食べると、どんどん頭が良くなった。
もしかしたら、天才と呼ばれる日も遠くないかも……。
でも、そんなとき……
本を食べる男の子の話
タイトルそのままの、本を食べる男の子・ヘンリーが登場する絵本。
ヘンリーは嫌々本を食べているわけではない。
おいしいので食べているのだ。
ちょっとした間違いで、本をなめてみたら、意外にいけるのでは……?ってなってしまったヘンリー。
まさか、と思いつつ、一文字だけ食べてみたら、これまたおいしかった!
一ページ一ページ、試すように食べてみたけど、やっぱりおいしい。
そしてついには、ヘンリーは一度に一冊の本が食べられるようになった!
うん、病院に行こう?
どう考えても、おなかを壊すよ。
周りも止めてあげようよ。
一冊食べられるようになれば、あとはもう簡単。ヘンリーは調子に乗ってありとあらゆる本を食べまくる。だっておいしいんだもん。
誰か、誰かヘンリーを止めてあげて!
絶対体のどこかが悪くなるよ!
本はおいしいだけでなく、食べるともっとすごい効能があった。
食べれば食べるだけ、頭が良くなったのだ。
そうなると、もう食べまくり。天才少年になっていくヘンリー。
さらに一度に何冊も食べるようになり……
……体の調子が悪くなった。
当然だよ!!!!
それから本を食べることで頭にあった知識がごちゃごちゃになり、天才少年の夢は遠ざかり……みんなが口をそろえて、本を食べるのはもうやめなさいと言った。
もっとはじめの方で忠告してあげて!?
特にお医者さんとか!
……で、結局、ヘンリーはどうなったのかって?
本は用法、用量を守って、正しく服用するようになったとか。
知識とは一朝一夕には築かれないもの
本を食べれば知識が身に付くならば、誰だって試したい。
でも、残念ながら、本を食べても知識は身に付かない。
本書は、知識は一朝一夕では身に付かないものであると同時に、本は「読む」ことで楽しめるものであるということを教えてくれる。
ユーモアたっぷりの紙面のデザインが素敵な一冊。
最後のページの茶目っ気に思わず笑みがこぼれる。
しかも裏表紙にまで、「この本はぜったいにたべないでください」と書いてある。
紙面がデザイン寄りで字が小さいが、文章の量は多くない。
だが、複数に向けての読み聞かせには向かないだろう。
対象は低学年向け。
「本を食べる」という設定には面白味があるが、笑いを誘うような場面はない。笑い話を求めているときは、この本は向かないだろう。