21世紀版少年少女古典文学館(第3巻)

『落窪物語』は、早くに母を失った姫君が、継母にいじめられ、苦労しながらも、やがてすばらしい貴公子とめぐりあい、幸せを得る物語である。このストーリーの基本的なパターンは、シンデレラに代表されるが、古来、世界各地で作られ、今に語り継がれている。平安時代に書かれたこの物語も、みやびな恋物語というより、生身の人間の喜怒哀楽を興...

21世紀版少年少女古典文学館(第5巻)

『源氏物語』は、十一世紀はじめに紫式部という宮仕えの女性によって書かれた、大長編小説。華やかに栄えた平安朝を舞台に、高貴で美しく、才能にあふれた光源氏を主人公に、その子薫の半生までをつづった物語である。当時の男女の恋愛模様を核に、人間を、貴族社会を、あますところなく描いている。いまでは、ダンテやシェークスピアよりもはる...

21世紀版少年少女古典文学館(第2巻)

『竹取物語』は、日本人ならだれでもが懐しい、かぐや姫と五人の求婚者の物語である。月の世界からきた愛らしい姫と、その姫をとりまく人間模様が、時にユーモラスに、時にもの悲しく美しく描かれて、日本でもっとも古い物語文学といわれている。『伊勢物語』は、「むかし、男」ではじまる、和歌を中心に話が展開する“歌物語”の代表的な作品。...

21世紀版少年少女古典文学館(第7巻)

『堤中納言物語』には、いまに通じる個性的な人間像が、あふれる機知とユーモアで描かれている。毛虫を愛する型破りなお姫さまや、片思いに身を焦がす憂愁な貴公子などの登場人物たちが、この世界最古の短編小説集に、いきいきとした生命を吹きこんでいる。『うつほ物語』は、全二十巻という日本最古の長編物語であり、その成立、内容ともに謎を...

21世紀版少年少女古典文学館(第10巻)

『徒然草』は、ふしぎな作品だ。教訓あり、世間話あり、思い出話あり、世相批判あり、うわさ話あり、うんちくありー。乱世の鎌倉時代に生きた兼好が残したメッセージは、宝島の地図のように魅力的で、謎にみちていて、だれもが一度は目を通したくなる。『方丈記』は、読む人の背すじをのばす。混乱の時代を生き人の世の無常を語りながらも、生き...

21世紀版少年少女古典文学館(第9巻)

表面上では、貴族文化がはなやかに咲きほこった平安時代。だが、ほんのわずか京の裏通りに目をやれば、そこは追いはぎ・盗賊が横行し、人々は災いをもたらす鬼や魔物たちにおびえながら暮らす、混沌の世界だった。「今は昔」で語り出される『今昔物語集』には、受領・武士・僧侶・農民といった、それまでの文学では無視されがちだった人々が主人...

21世紀版少年少女古典文学館(第11巻)

平安時代末期(一一〇〇年代後半)、日本は歴史の大きな曲がり角に立っていた。これまでの貴族にかわって、武家の平家一門が政治の表舞台におどり出た。平家は日本全土の半分を支配下におき、平清盛の専横は目にあまるところとなった。『平家物語』は、こうした平家の隆盛と、その後の破滅への道のりを、時にフィクションをまじえながらも、あま...

21世紀版少年少女古典文学館(第13巻)

王朝貴族社会をなつかしみながら、中世の人事百般や鳥獣、虫、妖怪にまで筆がおよび、整然と分類された説話の百科事典ともいえる『古今著聞集』。「少年の教科書」として読みつがれ、簡明でおもしろい教訓の宝庫である『十訓抄』。そして『沙石集』は、狂言や落語にまで影響をあたえ、仏教書としてはめずらしく、笑いと人間味にあふれている。...

21世紀版少年少女古典文学館(第18巻)

元禄時代には、経済力をもった商人たちによって、日本のルネッサンスといわれるほどの、いきいきした町人文化が花開いた。そこにすい星のように出現した作家・近松門左衛門。宿命的な封建制度のなかで、人間らしく必死に生きようとする男と女の恋愛をテーマに、みごとな語りことばで描きだす義理と人情の人間ドラマの数々。『出世景清』『冥途の...

21世紀版少年少女古典文学館(第17巻)

人の世は、ゆきつくところ「色」と「欲」。「恋」と「お金」が、人を幸せにも不幸せにもするものだー。元禄時代、経済力で武士にかわって社会の表舞台におどりでた商人たちの生き方を、鋭く、とにきは滑稽に描いた井原西鶴の代表的名作を集める。封建社会の掟に刃向かう命がけの純愛物語『好色五人女』、親の次にたいせつな金を知恵と才覚でふや...
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