『殿さまの茶わん』──世間では上等と言われていても、実用に耐えなければ意味がない

あらすじ あるところに有名な陶器を扱う店があった。 その店の陶器は上等で評判もよく、遠くの国までその名が聞こえるほどだった。 その噂を聞きつけた城の家来は、殿様のために茶碗を造ってくれと頼む。名誉ある申しつけと、陶器師は上等な茶碗を造った。 軽くて、薄手であればあるほど、茶碗は上等なものとされていた。 だから...

『やまのディスコ』──蜂の巣ミラーボールでイケイケノリノリだぜ

あらすじ 白馬のみねこさんは、おしゃれな馬。 山にディスコができたと聞いて、やぎのさんきちくんを誘って行くことにした。 熊の大将が考えついたディスコ。 客の入りは上々。 なんといっても自慢は蜂の巣ミラーボール! 音楽が始まり、みんな踊り始めたのだが……。   かくして山の一夜は踊り続けてふけて...

『ねぬ』──自分らしく生きるということ

あらすじ 犬だけど、ネコになりたい生き物、ねぬ。 彼の生き方はほかのネコや犬には理解してもらえず、ねぬはいつもひとりぼっちだった。 仲間なんていらない、友達なんていらないというねぬ。 しかし、あるとき、捨てられた子猫たちと行く宛のない野良犬たちと出会った。なぜか、彼らはねぬについてきて、ねぐらまでやってきてしま...

『電信柱と妙な男』──厭世感の漂う童話

あらすじ ある町に、妙な男が住んでいた。 この男は、昼間、絶対に外を出歩かなかった。 この妙な男は、みんなが寝静まった深夜に、一人でぶらぶら散歩するのか好きであった。 ある深夜の散歩の途中で、妙な男は歩く電信柱と出会った。 妙な男は、電信柱に、なぜこんな時間に動き回っているのかと尋ねた。 電信柱は、昼間は人...
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