『殿さまの茶わん』──世間では上等と言われていても、実用に耐えなければ意味がない

あらすじ あるところに有名な陶器を扱う店があった。 その店の陶器は上等で評判もよく、遠くの国までその名が聞こえるほどだった。 その噂を聞きつけた城の家来は、殿様のために茶碗を造ってくれと頼む。名誉ある申しつけと、陶器師は上等な茶碗を造った。 軽くて、薄手であればあるほど、茶碗は上等なものとされていた。 だから...