牛女

ある村に、「牛女」と呼ばれる女が、男の子と二人で暮らしていました。あまりに背が高い大女なもので、いつも首を垂れて歩きました。力も、ほかの人の幾倍もあって、石運びなどの力仕事をしていましたが、性質はいたってやさしく、涙もろかったので、そう呼ばれたのです。女は耳が聞こえず、口がきけませんでした。そのうえ、男の子には父親があ...

牛女

母の愛の、哀しくそしてあたたかい、小川未明珠玉の名作の絵本化。...

赤いろうそくと人魚

北方の、冷たく暗い海の岩の上で、女の人魚が考えていました。「人間の住む町は、明るくにぎやかで、美しいと聞いている。人間は魚よりけものより、人情があってやさしいと聞いている。一度手に取りあげて育てたなら、決して捨てたりしないと聞いている。さいわい自分達は人間そっくりだから、人間世界で暮らせるはず。せめて自分の子供だけは、...

赤いろうそくと人魚

人間の世界にあこがれる人魚がうみおとした赤ん坊は、ろうそく屋の夫婦にひろわれ育てられ、うつくしい娘になった。小川未明の名作を絵童話に。...
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