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夕暮れに外で一人で遊んでいる子はね……『ことりぞ』

夕暮れ、お面をつけた少女が一人で遊んでいると……   絵で語る妖怪の話 文章が極端に少なく、絵がメインにも思える一冊。 繊細で緻密なイラストが、夕暮れの薄ら寂しさと不安な気持ちをかきたててきます。 絵は美しいのに、どこか落ち着かない気持ちにさせる内容です。 メインの女の子はなぜか古風なお面を被...

ゆうれいのまちに行ったら──『ゆうれいのまち』

真夜中、ともだちがやってきて、窓をノックする。 ゆうれいのまちに行こうって。   ともだちに連れられて、足を踏み入れたゆうれいのまち 真夜中、友達に「ゆうれいのまち」に行こうと誘われて、「ぼく」は家を抜け出し、「ゆうれいのまち」へ。 最初は誰もいない町でしたが、そっとしずかに建物のかげを覗いたら...

もしかしたらすぐそばにいるかもしれない──『くうきにんげん』

この世には「くうきにんげん」がいる……   誰にも気付かれない、「くうきにんげん」 くうきにんげんを しってるかい?  しってるかい? この世には、「くうきにんげん」が世界中に大勢いるのです。 誰もいないかのように目に見えなくて、誰にも気付かれず、小さな穴や隙間があったら入っていける、...

迫りくるそこはかとない恐怖──『はこ』

「はこ」にとらわれてしまった少女のこころは──   淡々とつづられる物語、不安な気持ちにさせていく ある日少女は、はこを見つけます。 開かないはこ。振ると、コソコソ音がします。 雨の降る日、そのはこが開いていました。 中はからっぽ。 メダカがいなくなりました。 からっぽだったはずのメダカ...

日常生活でよく見かけるからこそ──『かがみのなか』

思えば鏡というものはいろんなところにあるとは思いませんか。 鏡に映るのは、もちろんわたし……? 鏡という不思議なもの 鏡はいろんなところにあります。お店の中にも、街角にもいっぱいあります。学校でも必ず鏡があります。 鏡を見ない日はありません。 鏡はそのままを写すもの。 鏡の前で右手をあげれば、鏡の中の...

暗闇の中浮かびあがる……『おんなのしろいあし』

ぼくは強い男だ。 だからオバケも怖くない。 オバケが出る古い倉庫に行くのだって、怖くない。   女の生白い足の怪異 友達たちとは違って、自分は強い男だと思っている「ぼく」。 オバケが出るといううわさの今では使われていない古い倉庫にだって、平気で入る。 雨の降る、暗い夕方、一人で倉庫に入った...

不穏な空気がどこまでもついてくる……『悪い本』

「はじめまして わたしは 悪い本です」 悪い本なんていらない? そんなことを言っていてもね…… あなたはきっと欲しくなる。悪い本が。 これから先、絶対に欲しくなる…… かきたてられる不安、どこまでもつきまとう「いつか」。 それは、おとなであれば分かるかもしれない。いや、きっと、おとななら分かる感情。……...

何かがいる。いるような気がする──『いるのいないの』

百鬼夜行シリーズ等で知られる作家、京極夏彦氏の書かれた怪談絵本。 不安げに天井を見上げる少年が、いやがおうにも不安を掻き立てさせます。 そう、これは怖い本なのです。   文章の持つ力と、絵の持つ力が合わさって、さらにこわい…… おばあちゃんの家で暮らすことになった少年。 おばあちゃんの家は、...
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