絵本の森

『ニャンタとポンタとこいのぼり』──大きな魚を釣って食べたいな

あらすじ

サンドイッチを作るニャンタとポンタ。
釣りに行くのにサンドイッチを持っていこうと思っていました。
釣れた魚をフライにして、サンドイッチに挟んで食べるのです。

サンドイッチとつりの用意をもって出かけた二人。
そこにカラスの二人組がやってきて、サンドイッチを奪おうとしてきました。このカラスの二人組は、よくニャンタとポンタにいたずらしてくるのです。
困ったニャンタとポンタは、遠くの鯉のぼりを指して──

 

鯉のぼりを本物の魚と見間違う

サンドイッチを作る子猫のニャンタと子だぬきのポンタ。
サンドイッチを作って、釣りに行く予定だった。サンドイッチに釣れた魚をフライにしてここに挟むんだーと予定をたてているのだが、出先でどうやって釣った魚をフライにするの? ガスコンロを持っていくの?

つりに出かける二人。
そこにじゃまに入るのはカラスの二人組、カーとウー。
この二人、いつもニャンタとポンタにいたずらをしているのだとか。要するにろくでもない二人ということである。

今日も今日とて、カラスの二人組は、ニャンタとポンタの行く手をじゃまする。ニャンタは、飾られた鯉のぼりを見て、

「あっ! あそこに おおきな さかなが およいでる。
つかまえて おおきな フライにしよう」

……と叫ぶ。
カラスの二人組は、自分たちが先にいただくぜーと鯉のぼりに向かって行ってしまった。

 

いやいやかなり無理がないか……。
いくらなんでも鯉のぼりを本物の魚に間違えるかな……。

 

結局、鯉のぼりにだまされたことに気づいたカラス二人組。
次はサンドイッチを奪ってやるとたくらむ。

ところかわってニャンタとポンタは魚釣りをしていた。よく釣れているようだ。しかし、そこに大きな魚がやってきて、そんな小さい魚しか釣れないのかと挑発する。この大きな魚、画面では一部分しか見せないように描かれているのだが、一発で鯉のぼりとわかる。わかるのだが、ニャンタとポンタは、鯉のぼりを大きな魚と勘違いして釣ろうとするのだ。

 

だいぶ無理がないか。

 

鯉のぼりは、上等の餌じゃないと釣れないと自己申告してくる。ニャンタとポンタは作ってきたサンドイッチを餌に大きな魚を釣ろうとする。そう、この鯉のぼりの中に入っているのはカラスの二人組だったのだ。
すべてのサンドイッチを餌にしても鯉のぼりは釣れない。当然である。

すべてのサンドイッチを奪ったところで空に浮かび上がる鯉のぼり。ここでようやく、ニャンタとポンタはカラスの二人組にだまされていたことを知るのだ。気づくのが遅すぎである……。
鯉のぼりとサンドイッチとともに逃げるカラス二人組を追うニャンタとポンタ。

逃げた鯉のぼりは、川の中から現れた大きな魚に餌として勘違いされて、ぱくり。こっちは本物の大きな魚である。
カラスの二人組は逃げていき、ニャンタはこの魚を釣り上げる。

 

なんかしらんうちにサンドイッチも手元に戻っていたし、でかい魚をつり上げられたし、最後は魚料理をたくさん食べてめでたしめでたし……

 

……なんだけど、一冊にいろいろ要素を詰め込みすぎて、ドタバタ感がすごい。
鯉のぼりを本物の魚に見間違え続けるのはちょっと無理があると思う……。

 

鯉のぼりが出てくるが

鯉のぼりが出てくるが、子どもの日はぜんぜん関係ない話である。
できれば季節をあわせて読みたいが、季節があってなくても楽しめることは楽しめる。
体感的に話が長いと感じる。読み聞かせするときは時間配分に注意したい。