絵本の森

『はらぺこゆうれい』──おなかがすいた幽霊の最期は……

あらすじ

腹を空かせていたはらぺこ幽霊は、同じ幽霊が腹を空かせていないことに気づいて、どうすれば腹を満たせられるか尋ねた。

すると、人間をおどかせば、食べ物のお供えをしてくれるという。
その話をきいて、早速杵と臼を使って人間をおどろかそうとした幽霊だったが……。

 

はらぺこ幽霊の最期

はらぺこ幽霊は腹を空かせていた。何せはらぺこ幽霊だから腹が空いているのである。同じ幽霊に出会ってみれば、相手の幽霊は太っているではないか。

どーしてきみははらぺこじゃないの? どーやって食べ物をもらっているの??

そんな疑問をぶつけてみれば、幽霊、答えて曰く、人間を怖がらせれば、怖がって食べ物をお供えをしてくれるよ、とのこと。

なるほどそうか、ではぼくも、とはらぺこ幽霊は決意した。
そして、杵と臼を使って人間をおどかすことにした。

 

なんでよりによってそこで杵と臼を選んだんや……。

 

人間たちは独りでに餅をついてくれるありがたーい杵と臼として、はらぺこ幽霊に餅をつかせた(人間には幽霊が見えない)。
餅にありつける……!と喜んだのもつかの間、そのつきあがった餅は人間たちの腹の中。

あわれ、はらぺこ幽霊は……

 

倒れて動かなくなった。

 

幽霊が……

 

行き倒れた……。

 

それを見ていた閻魔様、倒れた幽霊をつれてこいと鬼に命じた。
哀れに思ったのだろうか。これで幽霊も浮かばれる……と思った矢先、とんでもないことが起きる。

幽霊を抱き起こそうとした鬼、盛大なくしゃみをして幽霊を吹き飛ばした。

 

くしゃみで吹き飛ばされた……。

 

閻魔様は仕方ないので、その幽霊を……

 

ほうきぼしにした。

 

え……ほうきぼし……。
いいのか、それで……。

 

ほうきぼしなら
おなかが すきませんからね。

 

いや……え……?
そういう……問題なのかなこれ……?

 

後半の奇想天外な展開

後半の奇想天外な展開がおもしろい。幽霊とは何か……と考えたくなる。まあギリシャ神話とかだとすぐ星座になるしいいか。

幼児、低学年向け。
読み聞かせもおもしろいと思う。