あらすじ
スーパーで不思議なキャンディーを買ってもらったおっくんとあっこちゃん。
口の中に入れて願い事を言うと、その願い事がかなうのです。
だけど、その効力はなめている間だけ。
そこで、おっくんとあっこちゃんは……。
不思議なキャンディーがもたらすカオス
兄のおっくんと、妹あっこちゃん。
スーパーで不思議なアメを見つけ、買ってもらう。
このアメ、そんじょそこらのアメではなかった……!
<これはふしぎなキャンディーです。
口に入れて、ねがいごとをひとついうと、
すぐにそれがかないます。ほんとうです>
重ねて「ほんとうです」と言っているところに胡散臭さをうっすら感じないでもないが、このアメは確かに不思議なキャンディーだった。
実行してみると、本当に願いがかなったのだ。
調子に乗ったおっくんとあっこちゃんは、スキップができますようにとか、ウィンクができますようにとか、くだらな……小さな願い事をしては次々アメを食べていく。
途中で二人は、小さすぎるお願い事にアメを使うのはもったいないと思い、よく考えてから、願い事をすることに決める。
しかもこのアメ、不思議な力で願いを叶えても、願いが叶っているのはアメを食べている間だけ。その旨書かれてあったのに、ろくに読んでいなかったせいで、おっくんとあっこちゃんは、アメがガリガリ噛んでいたから効果もあっと言う間に終わってしまっていた。重ね重ね、なんだか残念な兄弟である。
おっくんとあっこちゃんが考えに考えたお願い事。それは……
おっくんは科学者に。あっこちゃんはお殿様になることだった。
おっくんの科学者の願いはわかるけど、あっこちゃんはお姫様とかじゃなくてお殿様なんだ……。
なんだか渋いお願い事だな……。
不思議なアメのおかげで、科学者になったおっくんと、殿様になったあっこちゃん。
殿様になったあっこちゃんには、家来がたくさん。
科学者になったおっくんには研究機材がたくさん。
部屋は一気にカオス状態に……。
そのうちお殿様のあっこちゃんに敵が襲来してきたり、博士おっくんの研究が火を噴いたり、完全に混沌とした展開になっていく。
そして、ついに二個になってしまったアメを、科学者のおっくんは増やす研究をし、見事それを成し遂げるのであった。
そんな、ひとつだけ願い事をかなえてくれるところを、たくさん願いをかなえてほしいみたいな願い事をするようなせこいことを……。
アメが増えて、二人は願い事しまくって楽しむ。
もはや、もったいないから本当にかなえたい願い事だけなんて縛りはない。本能のまま、願い事をしまくっている。
アメを量産できるようになったのなら、永遠にアメで願い事をかなえていけるのではと思ったが、おっくんとあっこちゃんは全部のアメを食べてこの遊びを終えてしまう。
それでこの話はおしまいなのだが、とにかく終盤のカオスっぷりは圧倒される。
あと、兄弟の頭がいいんだかそうでないんだかよくわからない行動も自制がきかない子どもらしく描かれていて妙にリアル。
話はおもしろいのだが
話はおもしろいのだが、いかんせん長い。
読み聞かせで一度で読み切るのはつらいものがあるのではないだろうか。
低学年向け。