あらすじ
ビックリばこを作って、みんなを驚かすことが好きなゴリラ。
今日もビックリばこを持っていました。
そこへやってきたのは、ブタ。
ゴリラは、ブタに向かって、ビックリばこを開けました。
そして、箱の後ろについているボタンを押すと、何かが飛び出してきて、ブタの顔に当たりました。
その何かとは一体……?
とんでもないビックリばこを作ったゴリラ
いろんなビックリばこを作って、みんなを驚かせて喜んでいたゴリラ。
今日もビックリばこを持って歩いていると、ブタにばったり。
ゴリラはビックリばこを開くと、後ろについているボタンを押した。
すると何かが飛び出して、ブタの顔に当たった。ブタはびっくり。
あれ……私の知ってるビックリばこと違うんだけど……
ビックリばこってこう、作りもののピエロだとか蛇だとかがビョーンと飛び出してくるしかけの箱をいうのでは……?
さて、驚いたブタ。
ゴリラは得意げ楽しげ。さっと出してきた鏡には、ブタの顔が映っている。しかし、そのブタの顔には、メガネがかかっていたのである。
飛び出してきたものはなんと、メガネであった。
メガネをかけた自分の顔に違和感を感じるブタ。
ゴリラにメガネは返すよ、というと、ゴリラはとんでもないことを言った。
「メガネは、かおから とれません」
は!!??
とんでもないことになった……。
そうしてゴリラは、次々とびっくりばこで動物のみんなにメガネをかけさせていく。
もうこれビックリさせて楽しむってレベルじゃない……愉快犯だ!
なれないメガネでみんな四苦八苦。
ぶつかったりなんだったりで、大不評である。
それを木の上から眺めて、ハッハッハと笑っているゴリラ。愉快犯め……。
怒ったカバが、ゴリラの乗っている木をドスン。
すると、ビックリばこが落ちてきた。怒りにまかせ、ビックリばこはめちゃくちゃに踏みつぶされてしまった。そりゃ怒って当然である。
しかし……
これが……大変な悲劇を生んだのであった!
なんと、このビックリばこの後ろには、ボタンがもう一つついていて、そのボタンを押すと、メガネがとれるようになっていたのだという……。
ということは、つまり……最初にブタに言った「メガネがとれない」というのはゴリラの嘘だったわけである。
しかし、彼はビックリばこを壊されてこう言うのだ。
「あっ、しーらないよ、しらないよ。そのはこがなければ、メガネは かおから とれないよお!」
まったく、どこまでも腹の立つ野郎である。
みんなカンカンに怒った。当然だ。
ライオンは、すぐにメガネをとるビックリばこをつくれと言った。ゴリラは黙っている。
相当怒っているライオンは言った。
ライオンは「ここに おいしそうな おおきなハンバーグがある。たべたいなあ」と いって、ゴリラをみた。
ライオン怖い!
ゴリラはあわてて、メガネがとれるビックリ箱を作ることにした。
そうしてようやく、メガネがとれるビックリ箱が完成する。
どうやって作ったの、という質問に、ゴリラはこう答える。
「にんげんは おふろに はいるとき、メガネをとる。だから、ビックリばこのなかに おゆを いれてみたんだよ」
ええええーそんなアホな……。
でもそんな理屈で、ビックリばこはみんなのメガネをとっていったのであった……。
でも、さっさと自分の手でメガネをとることはできなかったんだろうか……。
力強いタッチで描かれる動物たちは愛嬌いっぱい。
特にゴリラはどうしようもないやつだけど、なぜか憎めない。やってることは最悪だけど……。
軽妙な文章でつづられるビックリばこ騒動。
読んでいて楽しくなってくる本だ。
ページ数が多いが
ページ数が多いが、文体が話口調でつづられているため、読み聞かせ映えしそう。話もおもしろい。
幼児、低学年向け。