あらすじ
三匹のオオカミは、家を出て、自分たちの家を作ることになりました。
お母さんからは、悪い大ブタには気をつけて、と忠告を受けています。
三匹のオオカミは、早速、レンガで家を作りました。
しかし、そこへ悪い大ブタがやってきました。家に閉じこもる三匹のオオカミたち。
大ブタは、こんな家、吹き飛ばしてやると言いますが、レンガの家を吹き飛ばせるわけもなく……。
オオカミがかわいい……
「三匹の子豚」のパロディだが、「三匹の子豚」を知らなくても楽しめる内容である。あまり笑いをとる意味でのパロディらしい箇所はない。
子豚の立場とオオカミの立場が入れ替わった話である。
ある日、三匹のオオカミは、お母さんオオカミにひとりだちするよう、言われる。その際、悪い大ブタには気をつけるのよ、と忠告される。どうやら、評判の悪いブタがいるようである。
家を出た三匹のオオカミ。
レンガを運んでいたカンガルーに出会い、三匹はレンガを分けてもらう。
そしてレンガで家をつくるのである。
おや、いきなりレンガの家?
最初はわらの家じゃなかったっけ……
そう、この世界は、「三匹の子豚」の世界よりちょっと技術が進歩した世界なのである。
レンガの家を作った三匹のオオカミ。
そこへ、やってきました悪いブタ。
オオカミはレンガの家に逃げ込み扉を閉めた。ブタは開けろと騒ぎ立て、開けないのなら吹き飛ばしてやる、と息巻くが、もちろん、レンガの家は吹き飛ばせるようなものではない。
これであきらめるか……と思ったら、ここからが悪いブタの見せ所。
なんと、ブタは、大きなハンマーを持ち出して、レンガの家をぶっつぶすのである!
三匹のオオカミは逃げだし、何とか助かる。
次に彼らは、コンクリートで丈夫な家を作る。
しかし、また悪いブタはやってきて、息で吹き飛ばないと知るやいなや、今度は……
電気ドリルで家をぶっつぶす!
とんでもないブタである。
しかし、悪いブタは、オオカミの家に入ってなにをしたいのか……。ブタの目的がよくわからない。ただの意地悪なのだろうか。
さて、コンクリートの家から逃げ出したオオカミたちは、今度は鉄で家を作った。
これで安心、と思っていたら、またもやブタがやってくる。
もちろん、息で吹き飛ばせるわけがないので、ブタは……
ダイナマイトで家を吹っ飛ばした!
どんだけオオカミに恨みを持ってるんだよ……。
命からがら逃げ出したオオカミたち。
今度は……なんと、お花で家を作る。
おいおい、お花で家を作るなんて、だいじょうぶ?
息で吹き飛ばされるけど……。
そしてやってきました悪いブタ。
今度も家を吹き飛ばしてやると、思い切り息を吸い込み……
花のいいにおいに気がつく。
くんくん、いいにおい。
その花の香りをかいでいるうちに、ブタの心は優しくなっていく。
なんと、花の香りでブタはいいブタになったのである。
そして、三匹のオオカミとぶたは仲良く遊び、そして、三匹とブタは一緒に暮らすまでに仲良くなったとさ。
悪いブタがとことん悪いのだが、なんでオオカミに因縁をつけてくるのか謎。なにがしたかったのだろう。仲良くしたかったのか、ただ気に入らなかったのか。
だが、この話を読んでいると、悪いブタだと身構え(=頑丈な家をつくり、ブタがきたらすぐ家に閉じこもる)、冷たく接していると、ブタの心もかたくなになってしまい、わかりあうこともできない。
逆に花の家を作る(=身構えず接する)ことによって、ブタともわかりあえたというのは、非常に示唆的ではある。
文章量はかなり多い
絵本にしては、文章の量がかなり多い。
低学年向けだろう。
家の破壊方法が極端で、子どもウケしそうである……。