あらすじ
ねこは、海で魚を釣った。
大きな魚だ。
ねこは、大きな魚を担いで歩く。ねずみがその場面を驚いてみていた。
すると、魚は、そのねずみを食べた。
行く先々で、魚はびっくりして見ている動物たちを食べていく。しかし、魚を担いでいるねこには、魚が動物を食べているのに気がつかないのであった。
そしてねこは……。
まさかの展開に目を見張る
素朴なイラストだが、どこか黒を多用していてシリアスな雰囲気もたたえている。
ページ数が多いのだが、一ページの文章の量はとても少ない。
海で釣りをしていたねこ。
大きな魚をつり上げた。
ねこは、その魚をかつぎ、もって帰ろうと歩き出す。そう、その魚はかつぎ上げなければならないほど、大きかったのだ。
大きな魚にびっくりして見ているねずみがいた。
魚はそのねずみを食べてしまう。ねこは魚を担いで歩くのに集中していて、魚がねずみを食べてしまったことはしらない。
魚が……ねずみを食べる……。
やにわに、この絵本の雲行きが怪しくなってくる。食べちゃったけどそれでいいのだろうか……。
その後も、うさぎ、いぬ、たぬき……等々、いろんな動物がやってきては、魚が食べてしまう。もちろん、ねこはそれに気づいていない。
食物連鎖とは……。
いろんな動物を食べまくった恐怖の魚。
かなり大きく膨らんでいるのだが、ねこは気づかない。そればかりか、ねこはその魚を頭から食べちゃうのである。
ここまでなら、大きな魚を食べちゃったんだな、で終わるのだが、本文は違う。
ねこはさかなをぜんぶ
たべてしまったけれど、
ねこがたべたのは
さかなだけではないんだよ。なんとなんとなんと
なんとなんとなんと
なにを
たべたかわかる?
やたらブラックな問いである。
想定していなかっただけに、不意打ちを食らった状態だ。
この問い、まじめに考えるとさまざまな思いが去来する。魚が動物を食べるのにぎょっとするが、ねこが魚を食べるのには驚かない自分とか、食物連鎖とは何かとか……
軽いノリで始まって軽いノリで終わる本書。
しかし問いかけてくる内容は考えこむような内容をしている。
笑っていいのかまじめに受け取っていいのか一瞬考えるような本だ。
ページ数は多いが
ページ数が多いが、文章の量はとても少ない。
低学年向けだろう。