あらすじ
としおくんはゆきちゃんか好き。
しかし、ゆきちゃんはとしおくんがあまり好きではない。
そこで、としおくんは、としおくんむしに変化して、ゆきちゃんの周りを飛び回った。
すると……。
としおくんむしという、斜め上の展開
読み終わった直後の感想は、「なんじゃこりゃあ……」であった。
としおくんという男の子と、ゆきちゃんという女の子が出てくるのだが、話の展開が奇想天外な方向を向いていて、読み手を翻弄する。
としおくん、ゆきちゃんのことが好きだった。
だけど、ゆきちゃんは、としおくんのことがさほど好きではない。
その事実を知って、としおくんはなんと……
虫になった。
意味が分からないと思うが、私も意味がちょっとわからなかった。
とにかく、としおくんがメタモルフォーゼして、虫になるのだ。その名も、「としおくんむし」。
なぜ女子の関心を得るために、女子によっては好き嫌いが分かれるであろう虫に変化したのだ……。
それとも、「虫」と「無視」をかけているのだろうか。
虫になったとしおくんは、ゆきちゃんのまわりを飛んだり、高いところから舞い降りてきたりして、その存在をアピールする。
ゆきちゃんは、うっとうしがった……ことはなく、わりとうれしそうにしている。
としおくんむし、見た感じ気持ち悪……個性的な姿をしているが、ゆきちゃんは虫が平気なタイプの女の子だったのだろう。
しかし、調子に乗って飛び回ったせいで、としおくんむしは疲れてきて、ゆきちゃんの足下に降りて……
人に戻った。
変化を目のあたりにしたゆきちゃん、悲鳴をあげて逃げていってもいいぐらいなのだが、そうはならなかった。
終わり方がなんともシュール。
としおくんむしでもう少しいていれば、ゆきちゃんもとしおくんのことを好きになったのに、ざんねん。…で終わるのである。
女心ってわからない……。
不思議な魅力にあふれた一冊
不思議な魅力に満ちた謎の一冊。
何ともいえないユニークさがある。
幼児、低学年向け。