絵本の森

『おうちにいれちゃだめ!』──小さな希望を通すために男の子がした行動とは……?

あらすじ

リヴィングストンは、外で捕まえた虫を家に持ち込んだ。
するとお母さんは家に入れないでといやがった。

そこでリヴィングストンは考えた……

彼のとった行動とは……!?

 

人間の心理をついたすばらしい策略

計算高いといえば計算高い男の子の話である。
リヴィングストンという男の子は、外に出かけては虫を捕まえて家に持ち帰った。

すると……

いやがるのは、お母さんである。

「リヴィングストン、おうちに ムシを いれちゃ だめ!
おねがいだから、そんなことしないで。わかった?」

そしてリヴィングストンは考えるのである……。

彼は、まず、外で捕獲したネズミをつれて帰った。
すると、お母さんは、ネズミをウチに入れないでと言う。

そして次はブタをつれて帰った。
お母さんはまた、ウチに入れないでと言う。

……この子はいったい、なにをしてるんだ??

疑問をよそに、リヴィングストンはだんだんデカいものをもって帰ってくる。
シカ、ゾウ、クジラ……!
クジ…ラ……?

どう考えても無理があるだろうという展開だが、リヴィングストンはやり遂げる。
もちろん、クジラを家に入れることをお母さんがよしとするわけはなく……クジラを返しに行ったリヴィングストンは、代わりにまた家にアレを持ち込んだ。

そう、虫である。

お母さんはちょっと考えてから、虫にOKを出したそうな。

 

リヴィングストンは虫を飼いたかったのである。そのために、彼はスケールのデカいものを持ち込んでいき、最後に自分の希望を通した。
なんという策士だろうか。

いやはや、なんともうまいことやったもんである。
途中クジラとか出てきて、トンデモ展開になったが、これはこれでおもしろい。

リヴィングストンのとった作戦は、日常生活でも生かせるかもしれない。……保証はできないけど。

 

小さな希望を通すために

小さな希望を通すために、策士の男の子がトンデモ事態をひきおこすという話である。トンデモ事態を引き起こすが、笑いをメインにとっているわけではなさそうである。だがおもしろい。
幼児、低学年向け。