絵本の森

『ないちゃったまねぎ』──駄々をこねるたまねぎちゃんが泣きやんだその理由とは

あらすじ

今日はなにも買わないと約束したたまねぎちゃんだったが、買い物に行くとほしいおもちゃが。
買ってくやさーいとお願いするも、望みはかなわなかった。

泣き始めるたまねぎちゃん。
そんなたまねぎちゃんを泣きやませようと、いろんなひとたちがやってきて……。

 

今日はなにも買わないって言ったでしょ

今日はなにも買わないと約束してスーパーに来たらしいたまねぎの子。
だけど……

「かってくやさーい!」

おもちゃを持っておねだり。
絵を見てわかるけど、持ってきたのは、棚で一番高いおもちゃ。肝が据わっている。

買ってくれないとわかったたまねぎちゃんは、泣き出す。

たまねぎちゃんが
えーん えーんと ないちゃったまねぎ!

「かってくやさい」「ないちゃったまねぎ」など、何ともいえないセンスの言葉遊びがちょこちょこと挟みながら、話は進んでいく。

泣き出したたまねぎちゃんをなだめようとやってきたのはナス。
風船をあげると言っても、たまねぎちゃんは泣きやまない。ないちゃったまねぎである。

次にやってきたのはねぎさん。
ねぎさんは高い高いをやってくれるが、たまねぎちゃんは泣きやまない。
次はオクラさんだ。
オクラさんは歌って踊ろうとにぎやかに誘うが、ないちゃったまねぎ。
その次は白菜さん。
優しく、諭してくれるがこれもだめ。

このあたりからそろそろなにをやっても泣きやまないたまねぎちゃんにイライラ……というかもどかしい気持ちになってくるが、ついにお母さんが立ち上がった。

なんと、お母さん、化粧で白塗りになって、おばけに変装し、「ばあー」とおどかすのだ。その顔、すさまじい。

 

「おばけママだぞ~!
がまん できないこは
こちょこちょ
しちゃうぞ~!」

 

白塗りのおばけがこちょこちょしてくるなんて、かなり怖い。
たまねぎちゃんはさらに泣く……

と思ったら、泣きやんだ。
たまねぎちゃんは、こちょこちょされて大笑い。

 

いや……あの白塗りママはだいぶ怖いものがあるのだが、そこは平気なのだろうか……。毎回恒例になっているのかもしれないな……。いやな恒例だが……。

 

そんなわけで、おもちゃを我慢できたたまねぎちゃん。
いろんな人から心配されたけど、最後はちゃんと我慢できてえらかったね。

 

……最初からママが白塗りママになっていれば、ほかの人たちも心配してあれこれやらなくてもよかったのでは……とちょっと思ったりもして。

 

我慢できた

ほしいおもちゃを我慢できたたまねぎくん。
この本を読む子の中には、おもちゃ売場で座り込み駄々こねをやった子もいるのではないだろうか。そういった子の共感は得やすいかも。
幼児向け。