絵本の森

『だいじょうぶかしらねずみくん』──さんざんな目にあうねずみくん。大丈夫?

あらすじ

ねずみくんがあるいていると、いろんなものにぶつかられたり、踏みつけられたり、ひかれたりして大変な目にあう。
そのたび、ねずみくんの様子はなんだかおかしくなっていくのですが……。

 

大丈夫なのだろうか、ねずみくん……

ねずみくんが歩いていると、いろんな災難にみまわれる……という話。

ねすみくんが歩いていると、ゴリラにぶつけられてしまう。大丈夫かしらん、と心配はするのだけど、ねずみは変わらず歩き始める。しかし、なんだか変だ。目つきとか、歩き方とか……顔色とか。本当に大丈夫なのか? 読者も心配になってくる。

そんな感じで、ねずみくんは歩いているとぶつけられたり、ひかれたり、踏みつけられたり、衝突したり、当たったり、さんざんな目にあう。
大丈夫かしらん、とみんな様子をみるのだけども、ねずみくんはなにも言わない。作中、ねずみくんは一言もしゃべらない。一言もしゃべらないのだが、不運にみまわれるたびに、彼の様子がおかしくなっていく。はっきりいうと、やばくなっていく。目つきとか顔つきとかが。

 

大丈夫なのか、ねずみくん……。

 

変なところを打ったとか、怒りを抑えてこんな顔になっているとか、なんか大丈夫じゃない理由かあるのでは……?
そんな心配をよそに、最後にねずみくんはお父さんにぶつかってしまう。

お父さんとなら大丈夫、と彼は元通り。
やっぱり、ねずみくん、怒りを抑えていたのでは……?と思わせる結末だ。

何にせよ、大丈夫になってよかった。ねずみくん。

 

単純な展開の繰り返し

同じような展開の繰り返しだが、不運にみまわれるそのレパートリーが豊富で、失礼ながら笑ってしまう。物語性はあまりない上、ねずみくんがなにを考えているのかよくわからないため、ちょっと個性的な内容となっている。好みが出てくるだろう。
幼児向け。