あらすじ
おかん、おかんと話しかける少年。
それに答えてくれる母親。
この二人の会話をちょっとだけのぞいてみよう。
いや、本当におもしろいから。
親子の会話が楽しくて笑える
おかん、とはお母さんのことである。
この本の中の主人公の男の子は、ことあるごとに、「おかん、おかん」と話しまくる。
会話だけで進んでいく絵本である。
思わずクスッと笑ってしまうようなやりとりがおもしろい。
本文は関西弁で書かれており、それがまた会話に軽妙さを与えてくれる。
「なあ、おかん。きょうの ばんごはん なんや?」
「はあ? いま、ひる、たべたばっかりやろ?
なんで ばんごはん、かんがえなあかんねん」
一事が万事、こんな感じの会話が進んでいく。
まるでコントである。
しかし、これも親子の会話と思えば、ここに温かなものを感じずにはいられない。
しょーもないことでおかん、おかん、と話しかけてくる子。それにしょうがないわねえといった感じに相手する母親。
決して上品ではない会話に、いかにもリアルさが漂っていていい。
本書はただ会話をだらだら続けているだけではなく、話に緩急をつけている。特に後半のノリはおもしろく、「ママ」と呼ぶと急にまつげが伸びてきらきらした感じの母親になるところなどまさに大阪ノリである。
オチも最後まで笑いをとりにいっていて潔い。
私はこういうノリの絵本があってもいいんじゃないかと思う。
思わず笑う会話の軽妙さ
ほぼ会話だけで進んでいく話。
コントを見るような軽い気持ちで読める絵本だろう。
幼児、低学年向け。