あらすじ
おばあさんが孫のおねしょが治りますように、とお地蔵様に大福を供えてお願いした。
すると、お地蔵様はおいしそうな大福を見て、涎が出てきた。
その涎を犬が踏んで、すってんころりん。
それを見ていたスクーターに乗った和尚様、そのまま川へばしゃーん。
川ではドジョウが驚いて跳ねて……
次々展開していく話がおもしろい、一冊。
おねしょが治りますように、とお地蔵様にお願いしたら
おねしょというのは、一つの重大課題であるらしい。
ぼくとつな版画の絵でつづられる『おじぞうさん』は、おばあさんがお地蔵様におもちを供え、孫のおねしょをなおしてくださいとお願いするところから始まる。
お供えに大福餅を三つもらったお地蔵様は、そのおいしそうな大福に涎がじゅるり。
その涎を踏んだ犬がすべって転んで、その様子をスクーターに乗っていたお寺の和尚さんが川へダイブ。
昔話風の話かと思ったら、スクーターがでてきて面食らう。これは現代の話だったのか……。
話は次々と展開していく。
たまにご都合主義全開だが、これはそういう話であるのだなと思うと楽しくなってくる。
川にダイブした和尚さんにびっくりしたドジョウが飛び出し、あくびしたカラスの口に飛び込んだ。カラスの鳴き声に昼寝していた絵描きが飛び起きて……と、次から次へとテンポよく方言まじりで展開されていくさまは、読んでいると楽しくなってくる。
巡り巡って、おばあさんの孫に牛のおしっこがぶっかかる。最悪な結末だ……と思ったら、
うしの しょんべん、れいげん あらたか。
じろっぺ(孫の名前)の ねしょんべん、なあおった。
牛のおしっこ霊験あらたかなんだ!?
それでおねしょがなおるんだ!?
最後がちょっと強引というか、「そ、そうなのか……」と納得せざるをえないわけだけど、本文のテンポの良さは見ていて楽しい。
おもしろい一冊である。
展開が展開を呼ぶテンポのよい話
テンポの良さがピカイチのこの絵本。
読み聞かせも盛り上がりそうだ。
幼児、低学年向け。