絵本の森

『またあした』──また明日、という言葉

あらすじ

仲良しのきつねちゃんとくまくん。
いつもいっしょにいるぐらい仲良し。

くまくんが、船を作ろうか、ときつねちゃんに言う。
きつねちゃんもノリノリで作ろう作ろうと言う。
二人は船を枝や葉っぱで作ることになったのだが……

 

喧嘩をしていても

仲のよいきつねちゃんとくまくんがほほえましい。
お互いにお互いをほめあうところがかわいい。

くまくんが船を作ろうか、というときつねちゃんはノリノリで話に乗ってくる。
きつねちゃんは、枝や葉っぱで船を作ろうと案を出し、くまくんもノリノリで賛成する。

 

しかし……

 

二人で一つの大きな船を作るか、一人で船を作ってどっちが早いか競争するか、で意見がまっぷたつ。
どちらも譲らない。
二人、結構頑固のようである。
そして、とうとう、二人は喧嘩してしまい、「もうしーらない」と、解散の流れに……。

きつねちゃんはぷんすかぷんすか怒りながら帰り道につく。
ぶつくさ文句は言っているけど、涙目だ。
しかし、歩いているうちに、怒りはどんどんなくなっていって……。

ふと、きつねちゃんは、自分が何か忘れているような気がして立ち止まる。

 

うーん、なんだっけ?
忘れ物はしていないし……。

 

えいや、ときつねちゃんが足下の石を蹴飛ばすと、運悪く、お地蔵様にコツン。あわててきつねちゃんはあやまる。

「あした、おだんご もってくるね。
また あした、この みち とおるから」

このとき、きつねちゃんはハッと思い出すのだ。
忘れていたこと、それは……

 

くまくんに、「また あした」と言うこと。

 

また明日という言葉の響きを改めて考えると、なんだかほっとしたような、そんな安心感がある。「またあした」という挨拶は、なんだか絆が深まるような気すらする。また明日、明日がある、ということに。

喧嘩していても、また明日。
しらないうちにきつねちゃんとくまくんは、仲直りしていたみたいだ。

 

文章の量は少な目

文章の量は少な目。
幼児向けだろう。